第51話
――――ホワイトエリア・民主側
我々は霧のエリアの事をホワイトエリアと呼称することにした。
ホワイトエリアから民主側に13機の大型機が姿を現した。
「機長、ホワイトエリアを抜けました。目標まで2時間ほどで着く予定です」
「わかった。総員に通達、目標までもうすぐだ。しっかり休んでおけと、上空についたらすぐに降下だからな」
高高度、2万を飛ぶ富嶽ではそんな会話をしていたとき五千m下を飛んでいる深山と連山ではレーダー員が慌てていた。理由は簡単、ホワイトエリアを出て数分ほどで民主軍の防空レーダーに一瞬だけではあるが引っかかってしまったからだ。そのせいで迎撃機が数機、偵察がてら上がって来てしまったのだ。
「機長!レーダーに一瞬だけでも引っかかってしまったせいか、敵迎撃機がこちらに向かってきてます!」
「数は!?何機だ!?」
「3機です!!」
「全機高度を1万まで下げる!富嶽が見つかったら意味が無い」
12機の爆撃機は高度1万まで高度を下げた。そうこうしてる間に敵は来た。
――――国防空軍・小松基地
話しは少し遡る、爆撃隊がホワイトエリアを出たころ・・・
「防空レーダーより管制」
「こちら管制、どうぞ」
「一瞬ではあるが霧付近に未確認機を確認した。ステルスの可能性もある、至急確認願いたい。どうぞ」
「了解した、緊急発進をする」
すぐに滑走路から2機のF‐15が上がった。
時系列は元に戻る。
2機のF‐15は敵を視認した。
「セラック!こちらスカイキッド、右上方に未確認機多数を確認」
「了解スカイキッド。セラックより小松。未確認機を確認した。種別は爆撃機12、護衛無し。指示を願う」
「こちら小松、全機撃墜せよ」
「セラック了解。聞いたなスカイキッド、全機撃墜だとよ!いくぜ!」
「OK!」
「セラック、ターゲットロック!FOX‐2、ファイアー!」
「同じくスカイキッド!ファイアー!」
2機より放たれた空対空ミサイルは敵爆撃編隊に吸い込まれていった。
――――帝国軍・爆撃隊
「こちら連山6番機、敵機接近!」
「全機、散開するな!やられるぞ!密集隊形!弾幕を張れ!」
「敵機、ミサイル発射!」
「回避しろ!」
「ダメです!近すぎます!ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「深山3番機爆散!」
「連山4番機被弾!エンジン停止した模様!落ちて行きます!」
「富嶽さえ見つからなければいいんだ。富嶽さえ見つ――――」
その先を言おうとしたときに上の銃座についていた兵が叫んだ。
「富嶽撃墜されました!!」
「なんだと!?どういうことだ!?」
その理由もすぐにわかった。
「上方より敵機3機接近!敵の増援です!!」
「くそう、もはやこれまで・・・全機反転!撤退する!」
富嶽が撃墜されたことにより囮の意味を無くした爆撃機隊は撤退を余儀なくされた。ちなみに何故、レーダーに一切映らない富嶽が撃墜されたのは偶然が重なっただけだった。
連山をしたから機銃掃射で突き上げた際、敵のパイロットは高高度に敵らしき機影を見つけたが自分は爆撃機隊を片づけるのに手が一杯だったために増援で向かっている戦闘機に確認させたらそれが富嶽だった。レーダーに映らないそれを敵と認識した彼らは問答無用で富嶽を撃墜したということだ。
生き延びた機体は連山1機のみであった。その連山も被弾しており硫黄島まで帰ってこれたが着陸装置故障で着陸失敗により大破、全乗員重症という被害であった。
なお、これが、民主日本と帝国日本の最初の戦いである。




