第41話
――――日本帝国・本土
俺は急いで大臣たちを集めて緊急御前会議を行った。
「皆に集まってもらったのはほかでもない、先日霧の中から現れた艦隊と会談してきた。今回の話はそれだ」
大臣たちはざわつく・・・それもそのはずこちらの世界に来て上げた偵察衛星、実は原因不明な事故により墜落し新しく上げてもすぐに原因不明のなんらかのことですぐ墜落してしまうから、全くわからないのだ。ちなみに偵察衛星の後にあげた人工衛星は何ら影響なく軌道上にある。つまり軍事衛星のみ打ち上げが出来ないということである。
そんなこんなで霧の中から艦隊が現れたということは未知の国家が攻めてきたと思っても過言でもない。
「陛下、その会談を行った国というのはなんていう国だったのですか?」
「そのことなんだが、みんな落ち着いて聞いてほしい。相手の国は日本だ」
長い沈黙の後に宮代陸軍大臣が口を開いた。
「我々以外の日本が霧の向こう側にあるということですか?」
「そういうことになる、だがあっち側の日本は宣戦布告・先制攻撃をしない限り攻撃はしてこないはずだ」
「はずって?どういうことですか?」
「向こう側に現れた日本は、俺がこの帝国を作る前。つまり神になる前、生まれ故郷の日本国である可能性が高いんだ・・・」
「なんと!?陛下の母国ですか!?」
坂本海軍大臣が驚きを隠せないまま聞いてきた。
「母国だったと言ったほうがいいだろう。俺の母国は今いるこの国だ」
「失礼しました」
坂本は謝りながら頭を下げた。
「で、会談ではどういう話をされたのですか?」
「霧の向こう側の情勢なんだが向こうの日本もつい最近この世界に飛ばされてきたみたいでわからなかったんだ。そのかわり後日、今度は向こうの国で総理と天皇との会談を約束してきた」
「そうですか・・・向こうの日本にも天皇っているんですか?」
「あぁいる。この世界には2つの日本、2人の天皇がいることになる。しかし同じ名前の国があるのは仕方がないが天皇が2人いるのは気に入らないから、俺はこれから日本帝国の総統を名乗ることにした。全国民にもそう伝えろ」
大臣一同は深々と頭を下げた。
「霧の中から来たってことは、そのうちどっか別の国家の艦隊が攻めてくるかもしれない。現在、我が国の海軍と陸軍はベルカ戦争に参加しているため守りが手薄である。よって海軍、陸軍両大臣に命令する、いついかなる時に敵が攻めて来ても大丈夫なように本土の守りを強化せよ。海軍は多くの艦船の建造を進めよ。陸軍は戦車の製造、歩兵の強化に努めよ。いいな!!」
「仰せのままに!!」
「これにて御前会議を終了する。解散」
この御前会議のあと軍事費用が大幅に上がったことは言うまでもない。




