第36話 同盟
今年最後の投稿です。
ゆく年くる年、明ける年
――――ドイツ・ベルリン王宮
国王・・・ドイツの神様とはどんな人物なのか?と胸に思わせながら俺たち3人はメイドに連れられ宮殿の奥に入っていった。メイドは「陛下はこの部屋に」とだけ言い残し去っていった。俺たち3人は若干緊張しつつ部屋に入った。すると窓際に外を向いて立っている人物が1人いた。彼は外を向いたまま話しかけてきた。
「ようこそ我がドイツ公国へ」と言ってこっちを向いた彼に対して俺は驚愕した。
「お、お前は!?真一か!?」
真一。本名、凸守真一。俺が神になる前の世界にいた友達の一人であり部類のドイツ好きである
「久しぶりだな。弘一。何年ぶりだ?」
「何年ぶりだ?じゃないよ!何してんだよ!お前!」
「そんなことより、神様に間違って死亡させられていろいろ大変だったなぁ?お前も」
「ちょっとまて!は?間違って殺された?俺が?どういうことだ?」
「お前!?忘れたのか!?」
「まぁ、うん。こっちに来て約80年の記憶が無いんだ・・・」
「マジかよ・・・まぁいい。元いた世界ではお前は心臓発作で死んだことになってるぞ。しかも神様の手違いで50年近く・・・(笑)」
「あらら・・・」今となっては大昔の事だから何とも思っていない自分
「反応薄いなぁ。実はあのあと俺らも神様の手違いで殺されたんだ・・・」
どんだけ神様、手違いで人殺すんだよ・・・
「ん?ちょっとまて、今、俺らって言ったよな?他にもいるのか?」
「ああ、いるよ。お隣のオーシャンにも朝鮮にも。二人とも国家元首だから近いうち会えるだろう」
「それって俺が知ってるやつか?」
「そうだ。お前が死ぬ直前によく会ってた奴だよ」
「マジか・・・」
そして俺は真一からある情報を聞いた。
俺と真一は全く別の神様によって殺されたらしいし、ドイツ・朝鮮・オーシャンの建国者をこの世に送った神様は同一人物であること。そして俺たちがいるこの世界はたくさんの神様の遊びで造られた世界であること。つまりは全ての国の建国者が死人(転生者)であることだ。さらにみんな神様も違ければ能力も違うようだ。俺の場合、不老不死と色々な物、人以外であれば何でも生成出来る能力があるが真一の場合、不老不死と人を召喚しか出来ないらしい。だから彼は日本人なのに国民はみんなドイツ系なのだ。
とまぁこんな話を延々と続けていると真一が俺に聞いてきた。
「なぁ、お前の後ろにいるお嬢さん2人蚊帳の外状態になってるがいいのか?」
そう言われ、俺はすっかり忘れていたと思った。
「すまんすまん、紹介がまだだったな。白い海軍服を着たのが我が国の海軍大臣坂本大将で、緑の陸軍服を着たのが陸軍大臣の宮代大将だ」
2人は俺の紹介が終わると深々と頭を下げた。
「よろしく、お2人さん。さて弘一、そろそろ本題と行こうか。今日はこの国に何か用があって来たのだろう?」
「そうだった。実は我が国、日本と軍事同盟を結んでもらいたい」
「同盟か・・・結ぶのはいいが今ドイツは戦争中だぞ?同盟締結したらすぐに援軍を呼ぶかもしれないがそれでもいいのか?」
「元々貴国を助けるために来たんだ。ベルカ帝国と戦争中でオーシャンと朝鮮と同盟組んでまで戦っているのは知っているよ」
「何故それを?」
「この国から木造船を使って脱出し我が国で保護している人たちがいるんだ。彼らに聞いたんだ。それに俺は日本の軍総司令でもあるから無線ひとつで大艦隊を動かせる。同盟締結したらすぐに呼んでも構わないぞ?」
「なら、お願いするよ。いや、お願いします。」
「わかった」
ここに異世界においての日独同盟が締結された。
今年もありがとうございました。
また来年もたくさん読んでください。
出来るだけ正月中に更新しますので




