第30話
やっと30話だ
――――――――時はさらに進み2か月後
ウェーク島及びミッドウェイ島の基地建設が完了し、多くの物資輸送艦が日本本土と二つの島を行き来していた。基地建設で護衛のため向かった第2艦隊と第5艦隊は本国に帰還していた。代わりに秋月型と島風型を各島30隻配備してある。さらに現在戦艦大和と武蔵がミッドウェイに停泊している。ある作戦を待っているからだ。
「後続の空母艦隊はまだか?」
副長にそう聞くのは艦長の山田少将である。彼はブリテン占領作戦でも大和の艦長をしていたが彼の強い希望でこの大和が死ぬか自分が死ぬまで艦長をやりたいということで今も現役である。
「あと2時間ほどで着くと先ほど連絡がありました」
「そうか」
これから始まるハワイ攻略作戦に参加するべく本国から空母天城・葛城・蒼龍・飛龍・伊吹さらに輸送艦改造の護衛空母大鷹・雲鷹・沖鷹・神鷹・海鷹と護衛の駆逐艦80隻、合計90隻で向かってきているのだ。そして大和と武蔵はそこに合流し航空爆撃の後大和と武蔵は2艦で真珠湾に突入、占領である。
――――2時間後、大和艦橋
「来ました!ハワイ攻略艦隊です!」
山田は双眼鏡を覗いた。「どれどれ・・・。恐ろしい艦隊が来たなぁ」
その時、通信員が慌てたように入ってきた。
「失礼します!」
「どうした?そんなに慌てて」
「本国から艦長宛に通信です」
「見せて見ろ」山田は通信内容が書かれた紙を受け取る。
「やっと作戦が始まるな」とみんなニコニコしながら話をしていた。
「撤退だ・・・」
その場にいたものは全員キョトンとしていた。
「艦長、今なんと?」
「全軍撤退せよ、基地の兵も全員・・・」
「ちょっと待ってください!なんでまだ戦ってもいないのに引かなければいけないのですか?」副長が突っ掛かってきた。
「これは、総司令としてではなく、日本帝国陛下からの命令だ。本国で異常があったらしい」
みんな一度は黙り込むが本国の異常事態なら仕方がないと言って了承した。
三日後ウェーク及びミッドウェイから日本軍は姿を消した。




