第25話
――――超戦艦三笠建造から1週間後・・・・・
この日俺はいつものように部屋で積み上げられた書類に目を通していた。さすがに10年も同じことをしていると慣れるもんである。すると、廊下をバタバタと走る音が遠くから聞こえて来てその音は部屋の前で止まったと思いきや部屋の扉は突然開かれた。
「陛下!!!」
「なんだよ騒々しいなぁ・・・・」
入ってきたのは秘書の小林君である。10年たった今でも彼は現役である。
「大変です、陛下」
「君のその行動を見たらわかるよ・・・。何が大変なんだ?」
「これを見てください!!」
見てくれと言われた資料を見て俺は驚愕した・・・
「そんなバカな!?これは・・・」
「偵察衛星からの報告です。場所は米帝内フィラデルフィア海軍工廠内です・・・」
「船体に3連装の主砲4つ・・・(モンタナか・・・早過ぎるだろう・・・)」
偵察衛星からの報告写真には元の世界でも作られることは無かったアメリカ最大の戦艦モンタナ。それが今、目の前の写真に写っているのだ・・・
「すぐに奴らの情報を集めろ!」
「了解しました」
そう言うと小林君は部屋から大慌てで出て行った。
ちなみに米帝とは3年前アメリカが帝国制になったのでこう呼んでいる。
現在のアメリカの正式国名『アメリカ帝国』、その前は『アメリカ合衆国』だった。独立当初13州だったのにたった10年で48州に増えて、おまけに科学力がおかしくなりつつある謎の国家・・・




