第12話
――――呉鎮守府司令長官室
壁には呉鎮守府歴代の司令長官の顔写真が飾ってある。その中には元の世界の歴史書で見たことのある人たちもいたんだが明らかに顔と名前が一致していない・・・
「さて陛下、例の話ですか?」
「ああ、例の物はもう出来てすでに訓練中との話だが・・・」
「はい。ちょうどいい時間ですね。もうまもなく帰港すると思いますよ。」
「そうか・・・」
それから、俺は竹下中将と帰ってくるまで雑談していた・・・
――――4時間経過・・・・
――――さらに3時間経過・・・
あれ?戻ってこない・・・
なお、中将は5時間ほどぶっ通しで雑談した後、急用で出て行った・・・
現在、一人ぼっち・・・食堂行って本場の海軍カレーでも食べるかぁと思って行ったら今日は金曜日じゃないからカレーじゃなかった・・・
長官室でまた目的の物が返ってくるまで待つことに・・・・・
――――さらに待つこと2時間経過・・・・・・・
現在夜の8時である。
すると、長官室にノックして士官が入ってきた。
「失礼します、陛下、例の物が返ってきました。」
「もう待ちくたびれたよ・・・」
士官に連れられて例の物が泊まっている埠頭に向かった。
しかし、埠頭に例の物がない・・・
「あれ?例の物は?」
「例の物は江田島にいます。」
「江田島・・・そうか、あそこにいるのか・・・」
江田島。呉市の沖にある島で江田島海軍兵学校がある、広島県江田島市である。この世界の日本では江田島は市ではない。一応陸路でつながっているが一般人が入れるのは隣の倉橋島までである。この世界の江田島は全体が完全な海軍基地なのである。つまり例の物は江田島泊地にいるようだ。
――――広島県江田島海軍基地(極秘潜水艦基地)
江田島湾内にそいつはいた。
海軍が極秘に造った、巨大潜水空母。潜水空母呂400型である。
「大きいな・・・」
「水上攻撃機、水上爆撃機もしくは水上戦闘機を最高10機まで搭載可能です。現在は司令塔とカタパルトしか見えませんが格納庫が二段構想のため上段に5機下段に5機、これにより10基搭載可能なのです。」
「ほう・・・」
今、説明してくれたのはの潜水空母艦隊司令、尾崎少将である。
潜水空母艦隊、呂400型の同型艦は現在のところ6隻ある。つまり潜水艦だがこれだけで空母機動艦隊になるのだ。
さらに呂500型、これは呂400型の改良型で航空機搭載の代わりに陸戦隊を1隻につき250人輸送可能である。これも同型艦は6隻である。
ちなみに潜水型の輸送艦に乗るのは嫌だ、ということで陸軍と一部の海軍陸戦隊は拒否したらしい・・・(;´∀`)
この潜水空母機動艦隊はのちの作戦で必要になるので用意したがそれはまた次回かな。
巨大潜水空母 呂400型
兵装 魚雷発射管 前部 8基 後部 4基
対潜用音響誘導探知魚雷80本搭載
格納式40mm3連装対空機銃4基12挺
搭載可能水上機数最大10機
最大深度300m
同型艦 400・401・402・403・404・405
巨大潜水輸送艦 呂500型
兵装 魚雷発射管 前部 6基 後部 4基
対潜用音響探知誘導魚雷60本搭載
格納式40mm3連装対空機銃4基12挺
輸送可能人員数最大250名
最大深度300m
同型艦 500・501・502・503・504・505




