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とりあえず、平穏をください。  作者: 上条伊織
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閑話

 リシールとヨルに置いて行かれたアズベルは己から仕えると決めた主人に置いて行かれた状況にしばし呆然としていた。自分の何が悪かったのかわからないが故に、彼の心境は暴風雨並みに荒れ模様だ。

 リシールがアズベルを置いていったのは、単に彼女の機嫌が少々悪かっただけで彼に非はまったくない。しかしそれを知らないアズベルはひどく落ち込んでいた。

『リシールに置いて行かれた……』

 風と水の精霊の王であり聖魔獣と謳われているアズベルだったが、そのメンタルは主人に対してだけ驚くほどに柔かった。俗にいう、豆腐メンタルである。

 もし聖魔獣の神話を知る者達がこれを見たら、まず間違いなくこう言いそうだ。「こんな真実、知りたくなかった」と――。

 神秘的な美しさを持つ優美な獣が暗雲を背に背負い、負のオーラを纏わりつかせているのだ。傍にいるだけで不幸を呼び込みそうな状態である。

 彼の気分に反応するかのように水の気配が集まってくる。風はヨルの魔法で使っている魔力以外は集まってきているようで風も次第に強くなっていく。

 嵐、到来――。

 アズベルの心境と同じくらいの荒れ模様となった空を駆けながら、アズベルはリシールの魔力痕を追う。

 さながらその姿は主に捨てられまいとする犬のようである。

 ヨルと同じく風魔法で空を駆けるが、著しく不安定な精神状態で使う風魔法は無意味に等しい。

(我らが王よ。その姿を他の眷属に見られないでくださいよ……?)

(私たちでアズベル様の姿を隠しておきましょ)

 彼が無意識に呼び集めた風の眷属がアズベルを後押しし、水の眷属がその姿をけぶらせる。

(我らが王、メンタル弱すぎ)

 眷属らの蔑むような目をアズベルは知らない。

 

聖魔獣、駄犬(忠犬)にジョブチェンジ。


あれ、可笑しいな。聖魔獣って孤高の美しき王ってイメージだったのに。アズベル滅茶苦茶かっこいい氷の王様って設定したはずなのに……orz

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