表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度妻をおとすレシピ 第4冊  作者: 奄美剣星
Ⅵ (自作)掌編小説
98/100

掌編小説/むかしの人ぞ偲ばるる ノート20140411

   掌編小説/むかしの人ぞ偲ばるる ノート20140411


 特に未練とかあるのではない、かなり昔に別れた恋人の夢を頻繁にみるようになった。自分の若さからくる未熟さゆえに、こっぴどいフラれかたで、相手の男に略奪されたというべきか、彼女に見限られたというべきか、まあ、そういう情けない終わり方をした。しばらくの間、当時の二人を知る人たちがいろいろきいてきたのだけれども、知らない、と答えていた。実際は、御親切なことに、結婚した、子供を産んだということを、後に手紙でしらせてくれたわけだが、いちいち周囲に報告する愚は避けた。まだ彼女を憎んでいた当時、別れても男は女を守る義務があるのだと、考えていたからだ。しばらくして自分も結婚した。そして、数十年経ってみた今朝がたの夢だ。スラムのような住宅街で主婦をしていた彼女は、別れたときと同じ若さのままなのだが、自身の産んだ子はおらず、自分と別れた直後に結婚した男とは離婚して、別な二人の子連れの男と再婚していた。なんだか生活に疲れていて、こっちばかりみている。夢の中での自分は同情していた。しかし目をさました自分は、かすかに残っている彼女への復讐心がなす夢だと否定した。幸せにやってるさ、と考え直すのだ。

   END

   


※数年前に、海辺の、さびれた町にあった人気のない本屋で、夏目漱石の文庫本をまとめ買いしまして、ちょっとずつ読んでます。文豪さんには及びもつきませんが、それっぽく書いた習作ということで。^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ