表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度妻をおとすレシピ 第4冊  作者: 奄美剣星
Ⅳ 資料
77/100

資料/妖精分類・試案012 心霊系妖精と魔女 ノート20160716

妖精分類・試案012 心霊系妖精と魔女 ノート20160716

.

 その1 聖霊・地霊

 コンウォールCORRIGANSコリガンは、古代ガリアのドルイド聖人の末裔女性で、立石周辺にある泉の番人だ。春になると推奨のゴブレットで詩と英知の秘密を飲み乾す。――※私見:巨石記念物近くの水場を守護する。

 WHITE LADYホワイト・レディー「白婦人」は幽霊、妖精ともいわれる。この幻影のような幽霊は世界中で地霊として知られ、泉や井戸、河川、橋の番人である。アーサー王伝説に登場する王妃グィネヴィア(Guinebere)と同義でもとの形であるGwenhwyvarは白い幽霊を意味する。アイルランドの白い幽霊「バン・イン(Bean fion)」はホワイト・レディーと同じ意味。

 アイルランドBEAN-FIONNバン・インは湖や小川、河川などに棲む「白婦人」だとされ、好んで子供を小川に引きずり込んで溺死させる、イングランドでは緑の牙のジェニーと呼ばれている。――※私見:アイルランド版「白婦人」バン・インは水辺で子供を溺死に誘うあたりが半魚人・マーピープルの一種にもみえる。

 マン島のNIKKISENニッキサエンは水の妖精で、ニッキセンの湖に棲み、満月の光のもとで人間を水へと誘い、溺死者の魂を冥界へいざなう。――※私見:「白婦人」の一類型であろう。

 スコットランド。イングランドWHITE DOBBIEホワイト・ドビーは、魂を失った、弱った人間のような姿で、白い汚れた外套を羽織っている。赤い目をギラギラと光らせた白い兎をいつも連れている。――※私見:兎愛好家が散歩していただけかもしれない。

.

 その2 亡霊系

 ここでいう亡霊系とはいわゆる幽霊である。亡霊系を次のA~Eに分類してみた。

.

 A地縛霊的妖精。

 サマセットRED SHANKSレッド・シャンクは、赤ら顔でパイプをくゆらせている妖精でサマセットのドルベリー・キャンプの傍で殺されたデーンの魂とのこと。

.

 B浮遊霊的妖精。

 イングランドWOMAN OF THE MISTウーマン・オブ・ザミスト。霧の女、道端で小枝を拾っている老女の姿。サマセットの伝承物語ではハグという妖精が正体。

 アイルランドSLUAG(スルーアは邪悪な亡者の群れ、あるいは呪われた者たちの魂で、黒い雲に乗って西からやってきて呪われた場所に出没する。

 スコットランドのTARANSタランは、イングランドのスパンキーと同じく、浮遊霊化した子供の魂で遭遇すると命を落としかねない。聖水をかけたり、洗礼の祈りの言葉をかけてやったりして浄霊するとよい。

.

 C騒霊的妖精。

 イングランドKNOCKY-BOHノッキーボーは、騒霊「ポルターガイスト」でボガードともいい、家の壁や木製パネルの裏側で、どんどん物を叩いたり、ガタガタ音を立てたりする。

 イングランド、スコットランドのFECHフェッチは、自分とうり二つの亡霊・分魂病ドッペンベルガー的な生霊で、これにでくわすのは死の前兆だとされる。

 イングランド、スコットランドのDUNTERSダンターは、境界の妖精でバウリーともいい、ビールタワーと呼ばれる古い塔に出没する。生贄として、その礎に地をまかれた犠牲者の魂とされる。亜麻を打つ音、大麦を粉にひく音といった不快なラップ音をたて、うめき声、むせび泣き声をだす。聞いた者は死や不幸の前兆だ。

.

 D虫の報せをする妖精。

 アイルランドBEAN-SIDHE(バンシ―)は、妖精丘の女、平和の女を意味する。スコットランドではコインターハ、コンウォールではカイライス、ウェールズではグラッハ・ア・フリビンと称される、人間と同じぐらいの大きさで、白い衣ときに灰色、緑、赤、黒)、頭巾を被り、そこからまっすぐな長い髪を垂らしている。金髪を銀の櫛でとかす者、幽霊のような姿をした者もいる。叫び声はけたたましく、恐ろしげになく。死の前兆とされる。――※私見:告死天使。虫の報せ。

.

 E家つき妖精

 ウェールズ、イングランドLOBロブは、家つき妖精で、悪意・口論好き、小さな黒い雲のようにみえる。トラブルを起こし人間の不幸を喜ぶ。ただ怠け者なのでそうそうは支障にならない。炉辺のロブ、ロブ・ライ・バード・フィード、ラバー・フェンドとも呼ぶ。――※私見:浮遊霊のようなものか。

.

 【魔女系】

 WITCHウィッチは魔女を意味し、ときに妖精ともハグとも呼ばれる。魔法の力やハーブや薬についての神秘的な知識をもつ。呪文を唱えればほうきやサワギクの茎にまたがって空を飛ぶ。糸車の傍に座って善い呪文、悪い呪文を唱えている。男を惑わすために変身し魔法をかけて彼らを連れだす。異称として、若芽を意味し音楽好きで悪戯好きな小悪魔・IMPインプがある。

 またスコットランドの異称では、魔女・女性妖精を意味し魔法の杖で人間を、特に子供を動物に変えるのが大好きな、EACHRAISE URLAIRエハラス・ウルラルというのがある。

.

引用・参考文献

ポール・ジョンソン 著 『リトル・ピープル』 藤田優里子 訳 創元社2010年

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ