資料/妖精分類・試案008 ゴブリン・野生種 ノート20160715
妖精分類・試案008 ゴブリン・野生種
亜人その3 ゴブリンとブラウニー
ゴブリンとブラウニーの違いは、たぶん赤の他人の庶民と、それを雇い入れた後の従僕を比喩したものだと思う。この種族の特性は異常なほどに猫を恐れる点にある。
『指輪物語』のなかのGOBLINは、鬼族化しているが、『ハリーポッター』では銀行員をしていた。また主人公一族の宿敵・大臣の虐待を受けていた下僕のゴブリンは、靴下をはかせるという条件で寝返ってきた。
どちらのイメージもあるが、日本人のイメージからするとドワーフに長所を吸い取られた感じがする。
ゴブリンの一部はBROWNIE呼ばれる。ゴブリンとブラウニー)とは種族的にはまったく一緒でブラウニーをゴブリンに含めるときもある。違いは何かというと、こう例えることができる、「ゴブリンが狼なら、ブラウニーは飼いならした犬だ」と。
ゴブリンには野性的な面があるが、人懐っこいところがあり飼いならすのは比較的に容易だ。ブラウニーは、魔法使いが鷹匠のように操る使魔ほどの隷属はしないものの、食客・下僕・家畜的な要素が強い。ブラウニーのようによく掃除され暖炉の横にミルクなどの供え物が置かれた居心地のいい家に棲みついた妖精を〝家つき妖精〟という。
――※私見:ゴブリンは悪戯好きでへそ曲がりな日本でいうところの「小鬼・天邪鬼」だ。ブラウニーは家を繁栄させる「座敷童」によく似ている。
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第1に原種であるゴブリンから説明しよう。
GOBLINは、気難しくて悪戯好き。醜く歪んだ容姿。地下室・協会の庭、古木の根の間に集団で暮らしている。ときに人間と同居。悪戯好きは病的で愉快犯的な一面もみせる。革鎧に槍姿。このうちBUGGARSは変身能力がある邪悪なゴブリンでアストラル界に棲む。
イングランドGRIMは頭巾を被ったイングランドのゴブリンだ。醜悪な風貌で愚か者を怖がらせる悪戯者。窓辺で聴こえるその遅しい金切声は病気で寝込んでいる人間を死の恐怖で怯えさせる。
アイルランドのBALLYBOGSは泥炭地の番人で、泥臭い風貌だ。単独で出現。身長は低く肥っているが、手足はひょろ長い。時には人間を助け、時には悪戯をする。不平は多いが賢くはない。泥炭の妖精、バガブー、ボギーとも呼ぶ。――※私見:さしあたりここに分類。
イースト・アングリアのYALLERY BROUNは妖精の中でももっとも性質が悪い、ヤースキンの一族。コレヤレリー・ブラウンは自らの黄色を帯びた茶入りの髪と顎髭にからまって石の下で動かなくなっていた。通りかかった旅人がたくけてやると残りの人生に不幸をもたらした。ランカシャー、イングランドWRYNECKも同類。――※私見:日本だと子泣き爺と同じ属性。子泣き爺は人間の赤ん坊そっくりの泣き声で子熊も同じである。本能的に人間は何事かと救助にむかったところで、親熊に襲われる。
イングランド、スコットランドのHOBYAHSは邪悪なゴブリンで、子供を誘拐し、奴隷にして鉱山で金を掘らせた挙句に食べてしまうのだが、現在は黒妖犬に食べられてしい絶滅した。
スコットランドのRED CAPはフィルラ・リグとして知られる。白髪の混じった長い髪、痩せこけた皮膚に、牡鹿の歯をもち、ガリガリの脚には長い鉤爪をした老人だ。赤帽子は人の血液染め。丈夫なブーツを履き、杖をついている。意地悪な性格で単独で現れる。城跡や石塚を守っていて侵入者を木製鎌で攻撃するのだが、冒険者が十字架を掲げると鉤爪か歯を残して逃げる。
――※私見:異界入口の番人だ。
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イングランドDUERGARRSは、子羊の革製ジャケット、モグラの靴、緑色の帽子を身に着けている悪戯好きな邪妖精で、彼らの領域に踏み込んだ旅人は迷子になったり悪戯されたりする。※――私見:モグラの靴サイズから体長50㎝前後のゴブリンと推察する。
引用・参考文献
ポール・ジョンソン 著 『リトル・ピープル』 藤田優里子 訳 創元社2010年




