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もう一度妻をおとすレシピ 第4冊  作者: 奄美剣星
Ⅳ 資料
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資料/妖精分類・試案001 妖精の総称 ノート20160714

妖精分類・試案001 妖精の総称 ノート20160714


《妖精の総称》


 妖精を総称して、FAIRYフェアリーという。魔法を意味するラテン語fatareから、に由来しフランス語feeとなり英語fayフェイとなりfarcieフェリスとなる。他方それがliottle folkリトル・フォーク)となる。かつてはその名を直接呼ぶと彼らの機嫌を損ねるとされリトル・ピープルなど湾曲表現をつかうのがよいとされた。    

 Fayerye,fairye,fayre,faeryも同じくfairyフェアリーを意味する。他にLITTLE DALINGSリトル・ダーリン、Little Peopleリトル・ピープル、WEE FOLKウィー・フォークともいう。

 英国各地方でも妖精を表す特有の言い回しがある。

イングランドではFIERY DRAKEフェアリー・ドエレイクHOOKIESフーキーFRAIREIESフレアリー。また秘密の民・妖精SECRET FORKシークレット・フォークで同義語がSeakret Peopleシークレット・ピープルだ。また、サフォークのFERIERSフェリアーFERISHERSフェイシャー。北イングランドFERIESフェリー。マン島FERISHフェリシュといった言い回しもある。

 他方、ゲール語の妖精総称、SIDHEシーとFEARがくっついてフィル・シー、ファー・シーといった派生語まである。アイルランドFEAR SIDHEフェル・シー。スコットランド高地・男性妖精FEAR SIDHEANフェル・シーン)サマセット、サフォークFARISEESファリシーといった言い回しもする。――ゲール語でのSidheは本来「神」からきている。白い長髪、家畜の世話、子をさらって彼らの結婚式のグライドメイドにしたりできた子の取替子にしたりした、さらに機嫌をそこねると病気にもかかる。彼らはキリスト教定着後に精霊・魔女に降格された。また、彼らが棲むとされる埋葬塚や古墳の別称にもなっている。

 少し気取った言い方では、ギリシャ哲学・錬金術からの引用で、GNOME(ノーム、大地)、サラマンダー(火)、シルフ(大気)、ネーレーイス(水)といった四大元素を転用した自然妖精の総称で、ELEMENTALSエレメンタルというのや、精霊・幽霊を総称したラテン語spiritusに由来したSPURITESスプライトというのもある。また古代北イングランド語で妖精・精霊をさすKOWコウ

 大神級の自然精霊では、洞窟・妖精丘に棲む大地の妖精・自然精霊EARTH FARYアース・フェアリー、雨・風・太陽・嵐といった天気の妖精WEATHER FAIRESがある。この天気の妖精は本来、四大精霊の一柱・大地の精ノームで千年の寿命があるとされる。

 またオークニー諸島SEA MITERシー・マイザーは、夏と生命を表す海の母たる精霊だ。冬の精霊であるテランを敵とする、彼らの戦いは春分に始まり手乱を打ち負かすまで続く、そして、オークニー諸島周辺の海や土地に暖気と生命、成長をもたらす。秋分テランは戦いを再開する、そしてシー・マイザーが負けて消えてしまうまで戦いは続く、彼女が乾季と危険とを荒しの戒めを解くとき漁師が溺れやすくなる。

 イングランドのJACK FROSTジャック・フロストは、ツララに覆われて、白く尖った姿でえがかれる。寒い朝、窓枠にツララを残す。

 さて、大神級の下に、スコットランドにおけるSELIE CORTシーリー・コートのような大神に祝福された妖精群。高徳で、妖精たちの喧嘩仲裁をする存在。『指輪物語』でいえば灰色のガンダルフに相当する亜神、キリスト教でいえば上級天使相当と考えられる妖精たちだ。

 ウェールズやイングランドでは、MAB(マッブという妖精女王が存在し、女神エサソンの異称がある。『ロミオとジュリエット』では二人の魔法と夢枕の産婆として描かれる。

 マン島、イングランドのDEVAデーヴァは、ペルシャ起源。輝けるものを意味する。黄金に輝くオーラを発して降臨する。金色の妖精。あるいはカラフルなローブで身をまとった自然の精霊。シャイで自然を愛する。木々や湖を棲家とする

 アーサー王伝説では、LADY OF THE LAKEレディ・オブ・ザ・レイク・湖の貴婦人ヴィヴィアンヌが登場し、親からランスロットをさらって水中の王国で無敵の騎士に育てあげ、魔法の剣アロンダイトを与えたことになっている。この女神はニミュー、ニニアンの異称がある美麗な水棲妖精だ。

 また、妖精の王OBERONオベロンは、アーサー王伝説のほかにシェイクスピアの『夏の世の夢』でも登場する。恐ろしい形相のドワーフ・トロンがハンサムな王に変身したものだが、洗礼式で邪妖精に呪いをかけられ身長が伸びないという同情すべき過去をもつ。

 さらに、イングランドのWAYLAND SMITHウェイランド・スミスは、鍛冶屋のウェイランドと呼ばれる。鍛冶場に棲むウェイランド・エルフの妖精王だ。ウィルトシャー州とシャー州にあるロング・バロー(複数の墓室がある古代の長い墓)に棲む。旅人がウェイランドの鍛冶屋に一晩馬をつないでおくと朝までには蹄鉄を打ち直してもらえる。

 マン島、イングランドのDEVAデーヴァはペルシャ起源で輝けるものを意味する、黄金に輝くオーラを発して降臨する金色の妖精だ。あるいは黄金でないときはカラフルなローブで身をまとっている、自然の精霊。シャイで自然を愛し、木々や湖を棲家とする。広大な妖精王国を構えている様子ではないが一目置かれる有徳の亜神とでもいうべきか。

 SELIE CORTシーリー・コート級の高徳妖精・亜神の下には、準亜神から地神のような存在がいる。

 マン島・アイルランドの海の守護妖精IRISH SEA WATER GUARDANSは、体長数センチ。ナナーンに仕える。卵の殻を船として移動。

 WEE WILLY WINKIEウィー・ウィリー・ウィンキーは、砂男サウンドマン、睡魔・眠りの精とも呼ばれる楽しい夢と眠りの妖精だ。

 WELL SPIRITSウェル・スピリットは、泉の精で、泉と井戸、水源の番人だ。

 ヘブリーズ諸島のLOIREAGロリヤックはは強情で狡賢い水の小妖精で白い衣をまとい織物を守る。織機の整経や織物を織ったり洗ったりするさいの伝統や儀式をおろそかにする者を懲らしめる。音楽を愛し、織娘が完璧に歌を歌わないと怒りだす、家つき妖精だ。

 他方。

 大神に対して悪魔的な、邪妖精の総称は、スコットランドでいうところの、ANSEELIE COURTアンシーリー・コートだ。山奥の地下世界に棲み、よく人をさらっては奴隷にし、逆らうものなら無差別に〝エルフの太矢〟を浴びせる。

 また善悪どちらか明確ではないが、ケルト地域全域でその存在が知られているのは死神ANKOUアンクーだ。黒いローブで顔を覆い、黒い二頭立て幌馬車で黄泉へエスコートする。グリム・リバーの異称がある。

 以上が主だった大神・亜神級の妖精たちだ。

 次回は神系譜からは外れるモンスター的な妖精について述べてみたい。

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引用・参考文献

ポール・ジョンソン 著 『リトル・ピープル』 藤田優里子 訳 創元社2010年

ノート20160714


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