読書/ポオ 『黄金虫』ノート20160724
読書/ポオ 『黄金虫』ノート20160724
ポオ 『黄金虫』 1843年
.
本短編作品はミステリ構造であるが冒険ものとして扱われている。コナン・ドイルは探偵ホームズ「踊る人形」に暗号解読部分をそのままパクッた。スティーブンソンの『宝島』に影響がみられる。また、近年では映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014年)に多大な影響を与えた。
全46頁あるが、暗号解読ものという特殊なカテゴリであるため、09節の全容解明でかなりのページを裂いている。以下はプロット分解である。
.
00 口上 詩や偉人の言葉の引用
01 概要……登場人物紹介と背景。黄金虫採集中に偶然、
羊皮紙を発見する主人公と下僕(伏線)。
02 依頼……下僕が「私」の家を訪ねて、
主人公が作業を手伝うようにとのメッセージを伝える。
03 捜査……下僕は主人が黄金虫に刺されて呪われ精神に異常をきた
していると考える。主人公は下僕に、
町に立ち寄らせ発掘グッズを買わせた。
04 仮説……主人公は異は精神異常か?
羊皮紙に描かれていた炙り出しを発見し解読作業だった。
05 裏動機……冒頭で下僕と黄金虫を採集中、
難破船近くで羊皮紙を発見した経緯を話す。
06 仮説崩壊……述者は主人公が精神疾患ではなく目的をもって
行動していると悟る。主人公は海賊が隠した宝物を
探し当てていたことを悟る語り手。下僕が左右の区別が
つかないために、基準点打設位置がズレ、
埋蔵金の位置が少し狂った。
07 犯行動機……海賊キッドは資産保管のため島に財宝を隠し
作業にあたった部下を殺害し遺体を道標に。
08 閃き……主人公の犬が財宝と一緒に埋まっていた遺体をみつけ
皆で埋蔵金を発掘して持ち帰る。
09 全容解明……羊皮紙の炙出、換字法の暗号、頻度分析法による解読、
海賊は手下を始末したと判断。
.
登場人物
主人公……ルグルランと
道化……老下僕ジュピター、主人公に仕える黒人の解放奴隷
ウルフ……主人公の飼い犬
述者……私
犯人……海賊キッド(故人)




