読書/ポオ 『大渦の底へ』 ノート20160724
読書/ポオ 『大渦の底へ』 ノート20160724
テキスト
エドガー・アラン・ポー『メールストロムの旋渦』佐々木直次郎訳
Edgar Allan Poe〝A DESCENT INTO THE MAELSTROM〟
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著者のポオは、ポウ、ポーとされたり、あるいはポがボに変わることがある。御承知のように、そのポオはミステリの創始者であるため、ミステリではない他の作品も多分にミステリ構造である。ここで紹介する作品は『メールストロムの旋渦』であるが、他の邦訳名『大渦に呑まれて』、『大渦の底へ』、『メールシュトレームに呑まれて』などがある。ノルウェーのフィヨルド地形になった入り江入り口に発生する世界最大の大渦巻として欧米では著名なようだが、1841年本作品を発表した著者ポオ自身は現地を取材していない。あまりにも有名なこの短編は後世のさまざまな作品にインスピレーションを与えてきたという。 『メールストロムの旋渦のプロット』は下記の構成となる。
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00 口上
01 事件発生……述者が主役の老人に連れられて三年前の事故現場にゆく。
02 登場人物……漁師三人兄弟。
03 捜査……スクーナータイプの小型帆船漁をする。
04 仮説……渦がやむ時間帯に渦の反対側にゆくと大漁になる。
05 裏動機……兄弟は不漁が続いたので一発逆転の渦のむこうへゆく賭けにでた。
06 仮説崩壊……渦が思ったよりも早くに発生してしまう。
07 犯行動機……兄がパニック。死を覚悟した主人公は冷静に観察を始める。
08 閃き……球形は渦に呑まれやすいが、円筒形の樽は呑まれにくいことに気づく。
09 事件解決……主人公は恐怖で髪が白くなる。実はそれほど年寄りでもない。
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登場人物
述者……「私」
探偵役・被害者……老人、兄弟と子供がいる
容疑者……老人の兄弟。2人いるがファクターとしては1人と変わりない。
犯人(※ここでは人ではないが)……渦




