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もう一度妻をおとすレシピ 第4冊  作者: 奄美剣星
Ⅲ 読書(訳詩含む)
37/100

読書/ジオノ『木を植えた男』 ノート20160819

ジャン・ジオノ著『木を植えた男』山本省・訳 彩流社2006年

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図書館をふらついていたところ棚にあったので手にとった。現代フランスの文豪ジャン・ジオノ著『木を植えた男』は、400字詰め原稿用紙換算120枚ほどの短編である。私は、カナダ国営放送のOBがつくったアニメがNHKで紹介されて知った。訳者はすでに何人かおり、そのなかにはアニメ『火垂の墓』監督で、宮崎駿と長らくコンビを組んでいた高畠勲の名前も挙がっていた。主要登場人物は述者「私」と木を植える男のみだ。

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00 口上 

テーマ

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01 事件の発生

1913年、20代の述者は、砂漠化したアルプス山麓のヴェルゴン村に足を運び、主人公エルゼアール・ブイエの家に泊めてもらう。小さな牧場をやっていて山羊を飼っていた。場所は実質的には廃村で三戸に減って行った。

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02 当事者の紹介

慎ましいが、規則正しい生活をしている主人公。種子を選別し鉄棒で地面に穴を穿ち楢の種を植えている。

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03 捜査

主人公は55歳。1万本の種子を植えた。家の周囲は森になっていた。

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04 仮説

第1次大戦後、述者は現地を訪れる。年齢的に主人公はとうに亡くなっているものと考えていたら、どっこい生きていた。森が何十倍にも拡大していた。

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05 裏動機

1920年以降、主人公は毎年村を訪れる。主人公は森を荒す山羊の飼育を数頭に減らしていた。述者が1915年にヴェルダン攻防戦に従軍している間に主人公は白樺を植えていた。再会したときは山羊の飼育をやめて養蚕を始めていた。――アニメでは過去に流行病があって主人公は妻子をなくし絶望しそこから立ち上がるために木を始めたとあった。

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06 仮説崩壊

1933年、森が自然に蘇ったとの触れで、営林署職員が焚火をしていた主人公に、森の回復に差し障りがあると注意した。

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07 動機

1935年、自然に回復していたと思われていた森に、国会議員など政府要人がきていた。そのなかに述者の友人・営林署長がいて、主人公を紹介した。営林署長は土地に適した樹種のアドバイスをしたが別れ際述者に主人公は自分よりも知識があると褒めた。

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08 閃き

森の危機。第二次世界大戦で、燃料不足から、木炭車のために、樹木が大量に伐採された。主人公は戦争の勃発を知らず黙々と仕事をこなしていた。

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09 解決

1945年、終戦の年、述者は主人公に再会した。なんとバス路線ができていた。村の廃墟は片付けられ若夫婦が五件の家を建てていた。そして都合、この地域には一万人が入植した。主人公は1947年に養老院でひっそりと息を引き取った。

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感想

解説文を読むと、実在の人物であると思えてきた主人公がやはり架空の人と記されており、リアルな描写に驚く。現代版の森のエルフどころではなく、亜神の物語だ!


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