読書/伊集院静 著 『春泥』 ノート20160819
読書/伊集院静 著 『春泥』 ノート20160819
伊集院静 著 『春泥』 横浜CD文庫
物語を推定すると、2000年を少し超えたあたりだろう。舞台はかつて海軍の町があった広島県呉市だ。海軍家系の名士(恐らく華族)の最後の女性がヒロイン・廣代。58歳。老いらくの恋。
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01 右手の小指が攣るような感覚がし始めたのは
句会があり、そのための句をかいていたとき小指の変調を覚える。ヒロインの紹介。おてんばな少女時代を回想。相撲。亡夫や、吉井に出会っている。叔母が心配して日本舞踊の師匠ときたのだが呆れて帰ってしまった。
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02 右手の小指がおかしいのがわかったのは
句会。相手役・土木会社社長の吉井。医者に行き薬を処方してもらうが症状が悪化。少女時代回想、祖父の入院を期に叔母が女学校を手配した。吉井と出会う。
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03 数日後、食事の時、箸を持った手が
医者にゆき手術を受ける必要があるといわれショック。見合い相手20回。30で結婚。理由は名家と美貌に惚れて中味を愛さない。祖父・旧少将が許さなかった。
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04 その夜、廣代は明け方まで眠れなかった
手術。吉井に変形した指をみられたくなくて句会を欠席。
亡父との結婚の経緯。旧少将である祖父の眼鏡にかない養子に入る。
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05 廣代は家に戻り、昼間、病院の庭でみた吉井の
手術を受けた日、胆石の手術をうけて入院していた吉井
独身時代のヒロイン。少将であった祖父は、ヒロインの父がゆく戦場が激戦地で死ぬことを知っていた。広島の原爆資料館にゆき戦争の真実を伝える。戦争は軍人が起こすものではなく市民が起こすものだ。亡父とは遺族会のボランティアをやるうちに恋が芽生え祖父にも認められた。
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06 春のおぼろ月夜が堀越に庭先を照らしていた
吉井は少女時代のヒロインが庭先で投げ飛ばしていた近所の少年の一人だった。会社が倒産する。拾ってくれた会社があり、他の町へゆく途中、ヒロインは惚れたと告白、ついてゆくことになる。




