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跋
メゴスとウエルは、年老いた王に謁見した。二人は玉前に跪き頭を深々と下げている。
王は口を開いた。
「で、どうであった。ヨンドルの街は」
「は。壊滅でございました。しかし、賊に襲われたとも、災害に遭ったとも言い難く……」
「いや、いい。それでいい。御苦労であった」
「は、しかし、王」
「良い、分かっておる。分かっておるのじゃ。これがあの街の定めじゃ。運命じゃ。出来あがった当初からの、のう。ははは、なに、あの街が無くなったとて別段問題無い。困れば、また他を攻めればよい。両人とも、街の様子見なんぞ、つまらぬ命で、役不足だったろうに。すまなかったのう。今日は下がって良いぞ」
二人は退いた。
「……胸糞悪い」
ウエルは自室で一人、葡萄酒を傾けながら呟いた。




