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じゅんけいさん。  作者: ジョウビタキ子


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17/17

2人で一人前


「あら?メガネがない!」


母ですね。

荷詰めのときは傷などが見えるように老眼鏡をかけます。

どこかへ置いてきたようです。

大体、家の中か、車の中ですね。



「あら〜?俺のラジオどこいったろ?」


父ですね。

時々ラジオの行方が分からなくなるようです。

大体は収穫したきゅうりが入ったコンテナの中ですね。

コンテナの個数が多いので、

荷詰めをしながら出てくるのを待つしかないですが。



「いや。携帯どこに置いたかしら?」


母ですね。

いつものことですが、今回は記憶がない上に

いつもの場所にないようです。

買い物に行ってたよね?と言ってみると、

別のカバンから出てきたそうです。

良かった良かった。



「ありゃ〜?あの書類が一枚ない〜」


父ですね。

娘には行方の分からないものを探しています。

これは力になれませんが、

こういう時は母が凄いです。

大体探し当てますし、

アフターフォローもバッチリです。



でも時々、

なくし物ではないのですが、

父も母も水を巡ってハテナを飛ばし合うことがあります。


暑いですからね。

水分補給は大事。

2人はよく、同じ銘柄の水を買っていました。

それぞれの置き場所があるので

大体は問題ないのですが、

時々分からなくなるのでしょうね。


「私の水がない!」

母が探し回っていると父がやってきて、

「お母さんのやったか〜!昨日の水かと思って、そこら辺に撒いてしまった」

「新しいお水よ!冷たかったでしょ?!」

「そうやったか〜?」


と、わいわいやっていたり


「あれ?これ私の水じゃない??お父さんの?!」

と、自分で勝手に父の水を飲んでおいて

「いやーーーもぉーーー!」

と、慌てている母。

父は少しショックを受けているかもですが、

もう娘は何も言いません。



母が父によく言っています。



「一人一人は半人前!2人で一人前だからね!ボケたらお互い協力して思い出すのよ!」

「はいはいはいはい。そうですね〜」



時々気合いを入れる母と

右から左へ聞き流す父。





物をなくし

記憶をなくし

それでも逞しく生きていく。



呆れますけど、

自分の未来の姿かもしれないなと

ぼんやり親を見つめる娘でした。


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