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「虹彩ノ神眼」  作者: 赤虎鉄馬
13/27

第13話『神核(コア)の記憶』





 深夜――


 継承の教会の奥、封印された記録室で、ユイはひとり、古びた石碑の前に立っていた。




 レインの案内でここにたどり着いたものの、彼女は「中には入れない」と言ってユイだけを残していった。


 扉には、七色の光を象った紋章が浮かび上がっている。




 ユイが義眼に意識を集中すると、虹色の微光が走り、扉が静かに開いた。




 中は、空白の空間だった。


 何もない――と思った瞬間、世界が反転する。




 ──次の瞬間、ユイは“どこか別の記憶”の中にいた。




 広大な空。


 崩れかけた神殿。


 そして、七人の影。




「これは……夢? それとも……」




 義眼が光るたびに、視界が揺れる。


 ユイは気づいた――これは、義眼に刻まれた“神々の記憶”だと。




 七人の影は、それぞれ異なる色を纏っていた。


 赤は破壊を、青は秩序を、緑は再生を、黄は真理を、紫は死を、黒は虚無を、そして――白は“始まり”を意味していた。




『我らが世界を創り、我らが世界を壊す』


『この力、いずれ選ばれし者に託す』


『器となる者よ、全てを受け入れ、全てを越えよ』




 その声は、ユイ自身の中から響いていた。


 彼女こそが「コンテイナー」であり、「神核コア」の継承者。


 七つの神性を内包する存在――つまり、“神を統べる人間”になる存在。




「……そんな、私が……?」




 視界が崩れ、記憶が終わる。




 気がつけば、ユイは記録室に倒れていた。


 レインが駆け寄り、肩を支える。




「見たのね。神々の記憶を」




「……私が、統べる? そんな力、私には……」




 レインは静かに言う。




「誰かがならなければ、世界は終わる。


 七人の継承者がそろうとき、世界は“選ばれる”。


 ユイ――あなたしか、できないのよ」




 そのとき、義眼が小さく鳴った。




 赤、青、そして“紫”が、目覚めようとしていた――






---




次回予告:第14話『死神の微笑』


“紫の継承者”と名乗る謎の少女が現れる。


彼女は何を知り、何を終わらせようとしているのか――











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