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8.デートと出会い

ついに迎えた土曜日、咲とのデートの日だ

いつもよりオシャレをするため鏡の前にいる時間が長い気がする。

準備をしている内にインターホンがなる

「琴葉〜咲ちゃん来たよー」

「はーい今から行くよ」

そうして最後にもう一度鏡を見てから玄関に向かった。扉を開けると目の前に咲がいた。咲もオシャレをしていた。

「おはよう」

「おっおはよう…」

「アンタの服装…似合ってるじゃない」

「ふふふっありがとう」

やっぱ咲の反応は面白いなぁ

「じゃあ行こっか」

そうして私達は駅に向かう。

「立川行くの久々な気がする」

「最後に行ったのは春休みだっけ?」

「そうそう、確か映画見に行ったよね」

映画か…今度西園寺さんと行くんだよな〜。おっといけない今日は咲とのデートなのに他の人のこと考えちゃうなんて…

そんな事を考えている内に電車が出発した。

「立川着いたら何して時間潰す?」

「ん〜私の服選びに付き合ってくれる?」

「いいよ!」







立川に着いてから私達は洋服屋に向かった。今は咲が試着をしている。

「どっちの方が似合ってる?」

「どっちも凄い似合ってるよ!」

「本当に?ちなみにどっちかっていうと?」

「ん〜こっちかな」

私は白いワンピースを指さす

「ふーんアンタはこういうの好きなんだ…」

「じゃあ私これ買う」

「今からライブ行くのにいきなり服買っちゃっていいの?」

「まあ別にいいでしょ。何とかなる」

やっぱ咲は無鉄砲だな〜






その後私達はカフェで時間を潰すことにした。

私はカフェラテとティラミス、咲はアイスティーとショートケーキを頼んだ。

「このティラミスすごく美味しい」

「本当?私にも少しちょうだいよ」

「いいよ、あ〜ん」

そう言って私が咲の方にスプーンを運ぶ

咲がすごい照れてる、かっわいい〜

「どうしたの?食べないの?」

「そんなに顔真っ赤にしちゃって…体調でも悪いの?」

しかし、咲はからかわれたままではなかった。急に冷静になって私のスプーンを口に運んだ。

「うん、美味しいね」

おっ成長してる。と思ったけど後からより顔が真っ赤になっていってた。

こうして咲と一緒に過ごしていると咲の魅力が良く見えてくるなぁ。やっぱり咲は可愛くて面白くていい人だ。いつも私の事を引っ張ってくれる。受け身な事が多い私にとって付き合ったらいい恋人になるだろう。








数時間後、ライブの時間が近づいてきたためライブハウスに向かった。

「ライブハウスってドリンク頼む必要あるんだね」

「私も初めてだから知らなかった」

「でも姉の友達っていってもそこまで関わりがある訳でもないんだよなぁ」

「昔少しだけ遊んでもらってただけなんだよね」

「じゃあ今日は純粋に曲を楽しもうよ!」

「そうだね、そうしよっ」

そんな事をしているうちに初めのグループの演奏が始まった。

バンドって凄いな。今まで私は音楽はあまり聞いていなかったけど、そんな素人の私でも凄さがわかる。

なんと言うか感情がストレートに伝わってくるのだ。

「凄いね」

「うん…なんていうか感動しちゃった…」

「次が姉の友達のグループっぽいよ」

次のグループへの期待が高まる中演奏が始まった。







色々なグループの演奏を聞いているうちに、もう最後のグループの演奏のようだ。これまでのどのグループも素晴らしい演奏だった。でも、最後のグループだけは私は曲に集中できなかった。なんて言ったってベースが多分…いや絶対西園寺さんなんだもん。いつもと雰囲気は違うけどあれは西園寺さんだ。髪は結んでいて特殊なメイクもしているがあんな美しい顔立ちがそうそう存在するはずない。

「ねえ…あれ西園寺さんだよね…」

「えっ?うーん、言われて見ればそう…かも?」

「他人の空似じゃない?」

いや、そんなはずはない。今までお昼の度に顔を向き合わせてたんだ。その私が間違えることなんて。100パー、いや90パー、いや80パー位しかない。

「とりあえず終わったらアイツに電話してみたら?」

「うーんそうしてみようかな」









ライブハウスから出て少しした頃に私は西園寺さんに電話をかけた。

「西園寺さんっ、今大丈夫?」

「あぁ、君からの電話ならいつでも歓迎するよ」

「あのね…聞きたいことがあるんだけど…」

「いいよ、なんでも聞いてくれ」

「さっきバンドのライブに出てた?」

「えっ」

西園寺さんは驚いたようで黙ってしまった。

「そうだね…確かに私はさっきまで演奏してたよ」

「やっぱり!絶対西園寺さんだと思ったんだよ」

「よく分かったね。今日の私はいつもとは全然違うだろうに」

「私が西園寺さんの顔を間違える訳ないじゃん」

「君は… はぁ、そんなの反則だよ」

反則?何の事なの?

「あっそうだ、これだけは伝えておきたくて…」

「演奏めっちゃ上手だったよ」

「そんな褒め殺しみたいな事をしないでくれよ…」

凄い声が震えている。電話越しでも西園寺さんが照れてるのがよくわかる。これは、からかってあげないと。

「雫の歌、すごい素敵だった。いつもカッコイイけどいつもと違うカッコ良さがあったよ」

「君は…君は魔性の女ってやつなのかい?それとも私の心臓の鼓動を早めて殺そうとでもしてるのかい?」

「単純な感想ですケド!?」

いや〜西園寺さんもらからかいがいがあるなぁ〜

「なんか咲からも言いたい事があるっぽいから1回変わるね」

「ああ」

そうして私は咲と電話を変わる

「私に言いたいことがあるとの事だけど何事かな?」

「1回しか言わないからよく聞きなさい。いい演奏だったわよ…」

「それはありがとう。」

なんか私の時とは違って淡白だな。私は2人に仲良くしてもらいたいのに…

また私と西園寺さんの会話に戻る

「ところでなんで琴葉と里宮さんが一緒にいるんだい?」

「えっとね今日は咲とデートだったの」

「デッ…デート?」

「先程はあんな私を誑かすかのようなことを囁いておきながら…?君は…なんて罪な人なんだ」

「違いますからね!?」

今度はショックを受けているな。最近わかったが西園寺さんは子供みたいなんだよね。生意気な事も少なくないし感情も表にでやすい。でもそれが私に合ってるんだよね。一緒にいて居心地がいいっていうか…

「はいはーい。その電話終わりー」

そう言って咲が私と西園寺さんの電話を終わらせる

「ちょっと何するの?」

「別に〜長くなりそうだったし〜」

私は少しだけイラッとした

「怒らないから思ってる事言いな」

「私とのデートなんだから…他の女と楽しそうに話してるとこなんて見たくない…」

咲が顔を夕日に負けないくらい紅く染めながら言う。

それは…反則でしょ。そんなん許すしかないじゃん。

「しょうがないな〜今日だけは咲のものでいてあげますよ。」

「今日だけ…ね、いつかは…」

咲が小さな声で何かを呟いた

「うん?何か言った?」

「いやなんでも。そろそろ暗くなるし帰んない?」

「うんそうだね。帰ろっか」

そうして私達は電車に乗り家へ向かった。

「今日は楽しかったね」

「そうね。久しぶりにアンタとずっと入れて良かった。」

そんなこと言われたら照れちゃうよ。もう。

「あのさ…」

「やっぱり私はアンタのことが好き。もちろんアンタも西園寺との事で悩む事が多いだろうけど、これだけは覚えておいて欲しい。私はアンタが…琴葉がどんな選択をしてもずっと好きだから。だから、琴葉の選びたい方と付き合って欲しい。私たちの気持ちなんて考えなくてもいいから」

そう言って咲は満足そうに笑った。

その言葉によって私は咲の愛が全身に伝わった。

やっぱり咲は良い奴だ。

「まだどっちを選ぶとかは分かんないけど…それでもその言葉はとっても…とっても嬉しい。ありがと」

「ふふっ」

「じゃあ、ここでお別れだね」

「バイバイ」

「じゃあね」

そう言って私達はお互いに手を振り、少しして私は家に入った。




就寝の準備を済ませて。今日のことを振り返る。

今日は色々なことがあったなぁ〜。でも全部楽しくて最高の1日だった。

咲とのデート楽しかったなぁ。またしたい。

そんな事を考え私は眠りにつくのだった。


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