7.二人からのお誘い
あの後、私達は話し合って曜日を決めた。
月曜日と水曜日、金曜日が西園寺さん
火曜日と木曜日は咲となったようだ。
ちなみに西園寺さんの方が1日多いのは咲と私が同じ部活だからという理由らしい。
そんなことを決めているうちに予鈴がなった。
「それじゃ、また部活で」
そう言って咲が教室に戻って行った。
「じゃあ私達も行こうか」
「そうだね」
5、6時間目はあっという間に終わった。最近恋愛のことについて考え過ぎてて勉強が疎かになってる気がする。そろそろ定期考査なのに...
まあいいや。とりあえず今は部活行こっと。
「じゃあね琴葉」
「バイバイ西園寺さん」
そう言って廊下に出ると咲が私の事を待っていた。
「遅いじゃない」
別に待ってて欲しいなんて言ってないのに...
「ごめんごめん。一緒に行こ」
「仕方ないわね」
やっぱり咲は可愛いなぁ〜。あれだね、これが俗に言うツンデレってやつだ。よくよく考えたらクール系美少女とツンデレ美少女に告白されてるっていう状況めっちゃラブコメみたいだね。
「早く行くわよ...って何でそんなに顔が赤いの?」
「へ?」
私の顔が熱くなっていることに気づいた。
こんなとこを見られるなんて...恥ずかしい...
「大丈夫?体調悪いの?」
「いやいや、そんなことないから。早く行こ行こ」
そう言って早歩きで更衣室に向かった。
更衣室でも邪な事を考えてしまう。咲ってスタイルめっちゃいいなぁ。健康的なスポーツ女子って感じ。なんか私変態オヤジみたいになってる気がする!?もう何も考えないようにしよう。悟りを開こう。
部活をしている間は何も考えなくてもいいから楽だった。まあ多少プレイに集中できなくなってしまいましたけど...
咲と一緒に下校している時、咲がスマホで何かを見てからモジモジしている。
「どうしたの?」
「別に...何でもない」
「ふーん...本当にいいんだ〜」
咲が照れくさそうにしている本当に可愛いなぁ
「あのね?私の姉の友達がバンドをやってるんだけどさ、そのバンドでライブを今週末やるらしくて...姉がチケットを貰ったのはいいけど行けないらしいの。だから私にチケットくれたんだけど一人で行くのはあれだし...」
こういう時に直接的に言えないのが咲らしいんだよね
「じゃあ私と行く?」
咲がとても嬉しそうにしている。可愛いヤツめ
「アンタがどうしてもっていうなら良いわよ。」
咲の顔から笑顔がこぼれる。
「じゃあ予定は追って連絡するね」
「わかった」
そんな事を話している内に私の家に着いた
「じゃあね」
「バイバイ」
扉を開けると私の好きな匂いがする。今日はカレーだな。
部屋で勉強しているとき、咲からメッセージが来た。
「土曜日1時からライブらしいから午前中時間潰してから午後の見に行かない?」
「いいよ〜ライブってどこでやるの?」
「立川でやるっぽい」
「おっけ〜じゃあ9時に家行くね」
「アンタの家の方が駅に近いし私がアンタん家行くよ。」
「わかった。じゃあそういうことで」
おやすみのスタンプを互いに送って会話を止める。
バンドとかあんまり分かんないけど楽しみだなぁ。
そんな事を思いながら私は眠りについた。
今日は金曜日、西園寺さんの日だ。だけど別に今までと変わったところはあまりない。いつも通り話して、授業を受け、昼食を迎えた。
「琴葉は今まで恋人がいた事あるのかい?」
「ないけど」
「西園寺さんはあるの?」
「ないよ。私の恋人は生涯で君だけだよ。」
急にそんなことを言わないでくれ。照れるじゃん
「私は君のことが好きだけど。その気持ちがあまり伝わってないみたいだからね。どうすれば良いか悩んだんだけどやはりここは一緒にデートで楽しもうじゃないか」
「デート!」
私は驚いてしまった
「別にいいけど...何処にいく?」
「どこか行きたい場所はあるかい?」
「私観に行きたい映画があるんだけど一緒にいかない?」
「いいね、何ていう映画なのかな?」
私はスマホでその映画について調べる
「コレコレ。この人の作る映画は毎回見てるんだよね」
「琴葉もなのかい?私もその人の作品は大好きなんだ。私達、気が合うね。」
「それで?いつにする?」
「映画は来週の水曜日公開だったかな?少し待ってくれ」
そう言って西園寺さんはカレンダーを取り出す。
私もチラ見すると凄いな。全く休みがない。少なくとも今月に関しては全ての休日に予定が入っている。忙しいんだなぁ
「そうだね...3週間後にはもうテストだから...なるべく早めに行きたいね」
「来週の水曜は部活はあるのかな?」
「ん〜確かなかったと思うよ」
「じゃあその日にしよう。」
「そうしよっか」
「楽しみだなぁ西園寺さんみたいな美少女と一緒に映画観るの」
「君は...よくそんな事が言えるね」
西園寺さんが頬を赤らめる。なんだろう美少女を照れさせている背徳感。西園寺さんめっちゃ可愛い。私が男子だったらこの時点で惚れてたよ絶対。
「可愛い...」
「へ?」
しまった。思わず声が漏れてしまった。
「今のなし!」
私まで顔が熱くなってしまった。今日は顔を赤らめてばかりだ。早く免疫つけないと。その後私たちの間に会話はなかったけど、お互いの赤くなった顔を見つめながら二人とも笑ってしまった。
その後は何事もなく家に帰った。
まさかこの2日間で2人にデートに誘われるなんて...
まあ気楽に楽しもうかな。明日は咲とデートだし早めに寝ておこ。
今日は幸せな夢が見れそうだ。