6.これから
「ふぁ~」
朝から欠伸が止まらない。昨日寝れなかったせいだ。いけない、これから3人で話し合うっていうのに。事前に西園寺さんにも許可は貰ったしこれから3人で一緒に昼食を気楽に食べよ〜...なんて訳にもいかず。
とりあえず空いていた教室に入ったは良いものの空気が重すぎる。二酸化炭素でも充満してるのかな?コレは私から切り出さないと気まずいまま昼が終わっちゃいそう
「まあ、3人で食べながら話そ?」
「そうだね。そうしようか」
「まあ...そうね」
こうして3人でご飯を食べているとそれぞれの個性がでるなぁ。私は至って普通の弁当で西園寺さんはすごく鮮やかで健康に良さそうなメニューばっかり。逆に咲は全く緑が見えない。いい加減野菜も食べたらいいのに。
「それで?今日は何の用なのかな?里宮さん」
意外だ。まさか西園寺さんが先に話しかけるなんて
「アンタたちの関係についてよ」
「私達の?それについて君から口出しされる筋合いはないと思うのだけど」
「それは...そうかもしれないけど...でも私は親友だから」
「ふ〜ん。親友ねぇ」
「私には君は私に嫉妬しているだけに思えるんだ」
「はぁ?何を言ってるの?」
「隠さなくてもいいじゃないか。その様子だと君も琴葉の事が好きなんだろう?だから私に取られるのが嫌なのだろう?」
「そっそれは...」
「その反応だと私の予想は合っていたようだ」
「適当でも言ってみるものだね」
咲はだんまりしてしまった。この反応はアレだね。からかわれたと思って怒ってる。
ここで私は遂に口を開く
「実はですね...この前ありがたい事に咲にも告白していただきまして...それで...これからの私達の関係性について話す機会を設けたくて...」
「なるほどね。ありがとう琴葉」
「でもそれは簡単なことだよ」
「簡単なこと?」
私達2人は口を揃えて言う。それはそうだ。目の前の美女が何を言ってるのか2人とも分からないから。
「琴葉と私が付き合えばいいんだ」
「アンタは何を言ってるの!」
咲が声を荒らげながら言う。私は咲を静止しながら言う
「私はまだ西園寺さんの事をよく知らないからまだ付き合えないかな」
西園寺さんはショックを受けたようだ。
「あれだけ...あれだけアプローチしたのに...」
いやそんなにしてたっけ?確かに話す機会は増えたけどそれだと友達としての好感しか上がんないし...
「はっ やっぱり中学からの親友の私の方がよく知ってもらってるしアンタより恋人にふさわしいのよ」
「いや、咲は今のところ親友で恋愛感情とかはないからね?」
どうやら2人ともショックを受けたようだ。
「とりあえずね私からひとつ言わせてもらいたいんだけど」
「私は友達としての貴方たちしか知らない訳。だから友達としての好感はあっても恋人になるかの判断に足る情報は全然ないの」
「だから2人はもっと恋人になれるような魅力を私に見せるべきだと思うよ?」
なんで私はアドバイスをしてるのだろうか。これではまるで2人のうちのどちらかとは付き合うと決めているようなもんじゃん。
「確かに...そうだね。そろそろもっと大胆にいくか」
「恋人らしくなんて...そんなん恥ずい...」
意外と西園寺さんの方が大胆なんだよなぁ。まあ一見気が強そうだけど実は恥ずかしがり屋なところが咲の可愛いところなんだけど。
「じゃあこういう風にしないかい?それぞれ担当の曜日を決めてその日に琴葉にアプローチをする。それで私達のどちらが恋人としてふさわしいかを夏、琴葉に決めてもらおう」
「つまりアンタと取り合いをするんじゃなくて、日によってどっちがアプローチをするか決めるのね」
「ああ。取り合いだとあまりに君が可哀想だからね」
「はぁ?言ってくれるじゃない」
「いいわ。後悔しても知らないわよ」
私の意思は確認されないまま二人の仲でこの事が決定事項になってしまったようだ。はぁ...これから私は普通の学校生活が送れるのかな...