癒しポイント②
「えっ、なにこれ」
目の前の現実。
それに、目を丸くする猫森。
しかし猫たちは食欲を満たすために、餌へと向かう。
「うーん……まっ、とりあえず。食べよっと」
深く考えず、猫森も食事をとる。
考えたら負け。そんな心境で。
そして、猫たちと猫森は仲良くお食事を堪能したのであった。
〜〜〜
「クリス様。今夜はひどく上機嫌ですね」
鼻歌まじりに剣の手入れをする、クリス。
その姿。それに、部下のスズメは眉根を顰める。
場所は騎士の詰め所。
この街の治安維持を目的とする、場所だった。
「いつもは凛々しい顔なのに。なにかあったのですか?」
銀髪童顔のスズメ。
クリスより小柄で、軽鎧に身を包んでいた。
そのスズメに、クリスは答える。
「あんな」
「えっ?」
「あんなかわいいモノ。はじめて見た」
「はい?」
かえってきた、クリスの言葉。
それにスズメは目を点にする。
「あの、クリス様」
「なんだ?」
「なにか変な物でも食べたのですか?」
心配そうは表情。
それを浮かべる、スズメ。
「スズメ。お前も見ればわかる」
「なにをですか?」
「新種の魔物を」
「はぁ」
「明日、案内してやる。騎士として、魔物の姿を見ておく必要もあるだろう」
猫の姿。
それを思い出し、頬を赤らめるクリス。
それにスズメは、
「わたしはクリス様とは違います。かわいいモノ? ふんっ、わたしの不屈の心。それはそう簡単にはおちませんよ」
そう答え、余裕に満ちた笑みを浮かべたのであった。
〜〜〜
翌朝。
「にゃん」
「にゃーん」
「うにゃ」
「め、めちゃくちゃ可愛い。は、反則的」
猫たちの姿。
それにスズメの心は即落ちしたのであった。