癒しポイント①
クリスがカフェを後にした後、幸いにもカフェに人が訪れることはなかった。
ずっと気を張りぱっなしだった、猫森。
そっと表に【close】の立て札をかけ、ようやく一息。
備え付けのシャワー室でシャワーを浴び、泊まり込み用の猫柄のパジャマに着替え、猫森はカフェの居住スペースに身を置いていた。
お湯がでるか心配だった。
しかし、店のインフラ関係に全く異常はない。
まさしく奇跡。
まるで、「神様の仕業かな?」と、ベッドの上で呟く、猫森。
もし本当に神様の仕業だとすれば、一体どんな目的で。
考えるが、当然、答えはでない。
そんな時は、猫と遊ぶに限る。
「猫じゃらしだぞ」
売り物の猫じゃらし。
それを持つ、猫森。
「んにゃっ」
ベッドに座り、猫たちと遊ぶ猫森。
「ほれっ」
左に。
「にゃっ」
「よっと」
右に。
「んにゃ」
「よいしょっと」
そして、上下に。
「にゃん」
猫森の卓越した猫じゃらし術。
それに数匹の猫たちは、虜。
そして猫森もまた、猫たちの挙動の虜になってしまう。
しかし、そこで。
ぐぅ。
と、腹の音が鳴る。
そこで猫森は気づく。
「そういえば、朝からなにも食べてなかったっけ」
「君たちもお腹空いてるよね?」
呟き、問いかける猫森。
それに猫たちは、一切に鳴き声をあげる。
「よし、遅いごはんにしよっか」
声を発し、立ち上がり、けのびをしながらキッチンへと向かう猫森。
そしてその後を猫たちは追っていったのであった。
〜〜〜
キッチンでは既に、タマが待ち構えていた。
「おー、タマさん」
声を発し、タマの目の前に置かれた空の皿に気づく、猫森。
「お腹減ってるの? 今、つくってあげるからね」
「出でよ、私と猫のご飯」
何気なく手のひらをかざし、猫森は冗談っぽく声を発する。
瞬間。
癒しポイント100→50
眩い光。
それに包まれ、タマの皿の上に大量の猫の餌が現れ、猫森の視線の先のテーブルに、好物のカレーライスが現れたのであった。