猫カフェ②
固まる、猫森。
えっ? ここどこ?
あまりの衝撃。
それに猫森は、息さえも忘れてしまう。
しかしそれを、猫たちが遮る。
「にゃー」
「んにゃ」
猫森の足元。
そこで尻尾をたて、絡ませて、頬擦りをする猫たち。
それに猫森は、正気を取り戻す。
ふぅ。やはり、猫は正義だ。
しゃがみ猫を撫で、心を落ち着かせていく猫森。
とはいったもののーー
これからどうしよう。
スマホは使えない。
加えて、頼れる人は誰も居ない。
いや、頼れる存在はここに居るではないか。
腹を見せ寝転がる、猫。
その中でも三毛猫は、ここぞとばかりに猫森に甘えてくる。
「はぁ。気軽でいいね、君は」
タマの無防備なお腹。
それを撫で、猫森は呟いてしまう。
とりあえず、中に戻ろう。
カフェがある。
それだけが救い。
中に入って、自分でなにかつくって飲もう。
猫にも餌をーー
そんな風に、猫森は自分を落ち着かせる。
そして立ちあがろうとした時。
「おい、そこの者」
威厳に満ちた声。
恐る恐る、顔をあげる猫森。
果たしてそこに立っていたのは、甲冑に身を包んだ女性だった。
黒のショートカット。見るからに、規律正しい見た目。
「私はクリス。この街の治安を任されている」
「け、警察のようなものですか?」
「けいさつ? よくわからんな。それより、魔物の飼育許可はとっているのか?」
「まもの?」
「そ、その見た目が可愛い新種の魔物だ。きさまが飼っているのだろう」
猫たち。
その姿を見つめ、クリスは少しだけ頬を赤らめてしまう。