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猫カフェ①
眩い光。
それが収まり、猫森は瞼を開ける。
猫たちもそれに倣い、興奮し、室内を駆け回る。
「な、なにが起こったの?」
思わず声を漏らし、店内を見渡す猫森。
変わったところはない。
それに少し安堵し、猫森はポケットからスマホを取り出す。
時刻を確認。
あれ?
時計が00:00。
画面に通信のアンテナもたっていない。
「ど、どうなっているの、これ」
スマホのホーム画面。
そこをタッチする、猫森。
勿論、反応はない。
額に滲む汗。表情は焦っていた。
と、とりあえず外に。
外に出ればなにかがわかるかもしれない。
そう自分に言い聞かせ、店の入り口へと足早に近づく猫森。
猫たちも猫森に続き、店の入り口へと歩いていく。
そして。
ガラス張りの扉に手をあてーー
ん?
確かこの店の前にはたくさんの店があったはず。
ん? ん?
しかし今、ガラス越しに見えるのは、見慣れた景色ではない。
見たこともない看板。
見たこともない人々。
甲冑姿に、とんがり帽子を被った人々。
目を丸くし、しかし、意を決し、猫森は扉を開ける。
吹き込む、風。
差し込む日の光。
固まる、猫森。
視界。
そこに、広がっていたのは、猫森の見知った世界でなかった。
広がっていたのはーー
「こ、ここ、どこ?」
「にゃー」
「んにゃ?」
猫森の知らぬ世界。
異世界の光景だった。




