反則的③
「う、うーん。はっ、ここはどこだ」
目を覚ました、イーグル。
卒倒し、イーグルはベッドへと運ばれていた。
そして、そのイーグルのほやけた視界にうつりこんだのはーー
「みゃー」
顔を覗く、子猫の顔だった。
「……っ」
息を飲む、イーグル。
とてつもない破壊力。
つぶらな瞳に、将来性を感じさせる凛々しい顔。
ふんわりとした毛並みと、首を傾げるお姿。
それは、まさしく可愛いの権化。
ぺろっ
心配そうに、子猫はイーグルの頬を舐める。
それに、「ひゃいっ!!」と、乙女な悲鳴をあげてしまうイーグル。
そしてその声に、開かれる扉。
同時に、猫森の整った小顔がひょこっとそこから覗く。
「だ、大丈夫ですか?」
響く、心配そうな猫森の声。
更にその猫森の足元には、数匹の猫たち。
皆、猫森と同じように、心配そうな表情を浮かべている。
「あ、あぁ。大丈夫だ」
子猫を優しく抱え、身を起こすイーグル。
「すまないな、いきなり倒れてしまって。な、なにせ……いきなり、こんなに可愛いモノを見せられてしまっては、その」
「いえいえ、お気になさらずに。猫ちゃんの可愛さは反則ですので」
微笑む、猫森。
その猫森に、イーグルもまた優しく問いかける。
「このモノたちの名。それは、ネコというのか?」
「はい。猫っていいます」
「ふむ、絶大な魅了の力だ。しかし、他の魔物と違い、敵意や悪意は全く無い」
子猫を撫でながら、イーグルは冷静に【猫】なるものを分析する。
そして更に、続ける。
「君は、このネコたちの主なのか?」
「主だなんて、そんな。言うなればーー」
「家族。です」
イーグルの問い。
それに迷うことなく答えた、猫森。
「家族、か。いい言葉だ」
「みゃっ」
頷き、イーグルは微笑む。
心無しか、子猫もまた笑っているように鳴き声をあげる。
そして、再び声を発するイーグル。
「わたしは、君ともう少し話がしたい。いいかな?」
「喜んで。あっ、それとわたしのことは君じゃなくて。猫森か、咲夜って呼んでください」
「承知した。では、わたしのことはイーグル。そう呼んでくれ」
「イーグルさん。では、温かな紅茶でもお淹れしますね。いらっしゃいませ、猫カフェへ。ごゆっくりしていってくださいね」
微笑む、猫森。
その姿。
それにイーグルの心は温もりに満ちたのであった。




