反則的②
〜〜〜
騎士の詰め所。
「貴様たちはなにをやっている!! 今ッ、何時だ!!」
「ひ、昼の12時です」
「そうだッ、昼だ!! お前たちが朝の見回りに出かけたのはいつだ!?」
「あ、朝の7時です」
「どうして5時間も経っているんだ!! 舐めているのか!?」
「ひ、ひぃ」
響く怒号。
それに思わず声をあげ、クリスの陰へと隠れるスズメ。
しかしクリスは表情ひとつ変えない。
「クリスッ、なにか言いたいことがあるなら言ってみろ!!」
「お言葉ですが、団長様」
「なんだ!?」
「わたしとスズメは新種の魔物の調査及び、突如現れた建物の調査に出向いておりました。ここに調査報告書も」
懐から紙を取り出し揺らす、クリス。
だが、イーグルの勢いは治らない。
「ふざけるな!!」
びりびりと揺れる、窓ガラス。
「新種の魔物に突如現れた建物? 嘘をつくならもっとマシな嘘をつけ!!」
薄縁眼鏡に赤髪。
気の強そうな顔に、ポニーテール。
軽鎧に羽織られた漆黒のマント。
背後の窓から差し込む、日の光。
それに照らされるその姿。
それは、威厳に満ちている。
バンッ
と目の前の机を両手で叩きーー
「クリス!!」
「なんでしょう?」
「スズメぇ!!」
「ひぃっ」
「今回ばかりはもう許さないぞッ、158回だ!! なんの数だかわかるか? お前たちを大目に見てやった回数だ!!」
叫び。
そして、
「許して欲しくば、その建物と新種の魔物とやらのところに案内しろ。ふんっ。できないだろう。なにせ、嘘だからな」
鼻で笑う、イーグル。
「では、着いてきてください」
「は?」
「ご案内いたします」
響く、クリスの声。
そしてイーグルは、クリスに連れられ猫カフェへと
向かっていったのであった。
〜〜〜
「ここから先へはお一人で」
「……っ」
Openの札がかかった扉の前。
そこでクリスはにこやかに、イーグルへと声をかける。
「新種の魔物も中に」
「そ、そうか」
意を決し、扉をあけるイーグル。
瞬間。
「いらっしゃいませ」
という声と共に、「「にゃー」」と可愛い猫たちがお出迎え。
途端。
ぽんっ
と湯煙をあげ、イーグルは顔を真っ赤にし、猫たちのあまりの可愛さにその場に卒倒したのであった。




