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現実世界恋愛系

これは事故チューなんかじゃない

 忙しい朝、学校の廊下の曲がり角。

 俺と君は真正面からぶつかり、額と額をくっつけた。唇と唇を重ね合わせた。

「あ……」

 目を白黒させて立ち尽くす君。

 俺は君に「ごめん」とだけ言ってその場を走り去る。頬が尋常じゃなく熱かった。

「事故チューしちゃった、事故チューしちゃった」

 そして放課後、君の教室から聞こえてくる声。他の女子たちの憤慨する声もする。

 事故チューなんて最低だ。でもこれは事故チューなんかじゃない。俺が毎朝試行錯誤を重ねてやっと成功させた悪戯なんだ。

 君は気づいていないだろう。俺のこの想いに。

 そしてこれが恋の始まりになるかも知れないことに。

 明日からも俺は君と事故チューをしよう。真実を君が知るその日まで。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 故意に事故チューをやるのを想像すると、相当綿密なシミュレーションが必要なことが分かります。 努力が実りましたね。
[一言] 凄い情熱と根性。 感服しました。
[良い点] 出会い頭の相手とキスをするには、相手の歩幅や歩行速度などをキチンと把握する必要がありますので、確かに毎朝の試行錯誤が重要ですね。 そして歩幅や歩行速度、或いは歩く時の姿勢を把握するには、事…
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