13 鍛えられるヒロシ-(3)
「さぁさっそくやるわよ!あとわかってると思うけど、森には入らないでね。魔獣に襲われるかも知れないからね」
「はい!わかりました」
ヒロシが同意したと同時にレイラの手が光出す。
ヒロシは急いで身体をずらした。
レイラの手からなにかが放たれると、ボォーンと音を立てて後ろの木に当たった。
「ちょっレイラさん威力まちがえてませんか?それ死なないですか?」
ヒロシは冷や汗を足らしながらレイラを見た。
「ヒロシくん大丈夫よ!強めに殴られるくらいの衝撃よ!ひとまず三分間逃げてみましょう」
ヒロシは攻撃が当たったところを見ると木が削れてた。
顔を青白くさせてまたレイラのほうを見る。
レイラはヒロシに手を向けて、また光出していた。
「やばいっ!!!」
ヒロシは走りだし、小刻みに反転してギザギザに走る。
レイラからは絶え間なく光が飛んでくる。
残り一分過ぎるとヒロシの目はレイラの攻撃にも慣れてきた。
それでも二分間走り続けたヒロシの足は限界を迎えていた。
思わず足が止まる。
レイラをみると次の攻撃にもそなえて手が光だしている。
レイラの手を方向をみて光が飛んでくる箇所を見定める。
「ヒロシくんあと三発で終わりにするわ。ちゃんと避けるのよ!」
さっきより手の光が強くなるのがわかる。
レイラの手から光が放たれた瞬間にヒロシは上体をずらして避ける。
「やるわね!」
レイラはすかさず次の攻撃うつる。
「これはどう?」
楽しそうだ。
ヒロシはあわてて体制を整え、逆方向に走り出す。
「ひえっ」
レイラの手からまた光が放たれる。
ヒロシは上体を後ろに傾けフェイントをかけた。
「うっ」
あと一発!!
だが二発目を避けたときヒロシは気を抜いてしまった。
「わっ」
三発目が見えてなかった。
ヒロシの目の前が光に包まれた瞬間衝撃が走った。
「!」
なんだか身体があたたかい。
ぼかぽかとする。
誰かが俺を呼んでいる。
声が....する。
○ ○ ○
「ヒロシくん!!目を覚ましなさい!」
目をあけるとそこにはレイラさんとエラがいた。
「びっくりした!ヒロシ死んじゃったかと思った」
エラは心配そうにしながら話している。ヒロシはまだぼうっとしていた。
「エラ?私はちゃんと手加減してるわよ?」
「お姉ちゃんだって慌ててたくせに!」
「まさかあれで倒れるなんて…悪かったわ」
「いえ、俺が油断していました」
「もっと加減に気をつけるわ。でもどうする?やめる?」
「続けたいです…何か変われそうな気もするし…」
「そう?…わかったわ。やるからには手は抜かないわよ。いいの?」
「はい」
しっかり頷く。
「わかったわ」
レイラさんは手のひらを俺に向けながらひらひらさせる。
「これで身体は大丈夫ね!回復しといたから!」
レイラさん手をパンパンとしながら手を差し出してきた。
「さぁごはんにしましょ?」
「あれ?体が軽い…」
さっきまで身体の節々がいたったのが嘘のようにとれていた。
いつのまにか昨日の筋肉痛も...
ヒロシは思った。
そんなことできるなら始めにやってほしかったと。
「ダメよ。甘やかすのは違うもの」
心の声を読んだレイラがにっこり釘を刺した。