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5話合い

 善吉に用件があった総士は一緒に近くの河原に来ていた。


「いやー。明るめに挨拶してみたけどあんまり効果なさそうだったな。いつになったら俺はお前の家族に明るく向かい入れてもらえるんだ」

 

 悔しそうに総士は今日の失敗を振り返る。

 

 今までもこの光景を見てきているが、本当に元気だと思う。


「とりあえず今日はタイミングが良くなかったようだぞ」

「でもよ。そればかりはどうにも出来ないからな。それに今日だって何度もタイミングを計っていたんだぞ。それでようやく、静まったたから声をかけたというのに」

「そうしたら運がなかったな」

「それにしても善吉は本当にあの三人と一緒にいて、よくいろいろと無事だよな」

「俺も始めは本当に大変だったけど今ではある程度馴れたかな」

「あの三人に慣れるとか、俺にはムリゲー過ぎてお手上げだ」

 

 総士は近くにあった石を掴み池に向かって投げると、とっぷんという音立てて水の中に沈んでいく。


「それを言うなよ。それに総士のせいでまたアメリアとキルラの機嫌が悪くなったら、この後機嫌を取り直すのが大変なんだぞ」

「あーはいはい。でもそれって俗にいうご褒美じゃねぇかよ。羨ましいぜ」

「ご褒美でもないときもあるけどな。……。気も使うし、満足させてあげられたかいつも心配になるんだぞ」

「それが大変って言っているおまえは充分殴られる理由になるぜ。あー俺も善吉のポジションでも良かったぜ」

 

 総士は空に向かって言葉を吐く。


「だけど総士にも充分恩恵があるじゃないか」

「まぁな。おかげで生活は整っているし、力もあるおかげで権力ってやつも維持できているから、この恩恵には感謝だな」

 

 総士は王城での大転移術式という魔法にて転移され、その転移した時に得た力は俗に言うチートと呼ばれる力を持っており、今までに数多くの難題を解決し実力を証明し、その結果を評価した王族や騎士たちや兵士からも厚くもてなされていた。


それから更に成果を出し続けた総士は国を守護する護衛騎士の最高称号である【九天聖将(くてんせいしょう)】の一人に任されており現在の階級は【六天(ろくてん)】である。


「まぁな。でも俺は俺なりに大変だったし、今ではこうして王女様から新たな任務を命令されているからな」

「いつもすまないな。でもやっぱり俺の気持ちは変わらないんだよ」

「やっぱりそうだよな。でも気にするな! 任務と言われていているけど、それ程急ぎでは無いし依頼主の王女様からは無理やりだけはダメだと言われているから、善吉がもし来たいと思ったらいつでも声をかけてくれればいいさ」


 総士の任務は明星家がとてつもない勢いで成績を伸ばし続けた結果、トラブルに巻き込まれて、その話が王女の耳にも何らかの形で入っていた。


 更に総士が王女と話している時に自然と話の流れで言ってしまい、興味を持っていた王女さまがぜひ会いたいから連れて来てくるようにとお願いされたのが、始まりであるのだが、このお願いこそが総士とアメリア達との仲を悪くする原因となってしまっている。


「そう言ってもらええると助かるよ」

「でも、アメリアちゃんが急に活躍しているから、さらに王女様が気になったらしくて、早くいっぱいお話ししたいことがあるようだぜ。まあ、これも俺が善吉のことを紹介してしまったことが事の発端だからな。出来ること全部するつもりだ」

「でも王女さまに知られていたならもいずれはこうなっていただろうし、むしろ話が出来ない奴が来ていたら、それこそアメリアが先に手を出してしまって今以上に状況が悪くなっていたかもしれないし、俺は総士でよかったと思っているけどな」

「俺としてはもう少し扱いをよくしてくれればいいけど、俺があんなことをしたからこうなった訳で実際にアメリアちゃん達は羨ましいぐらい可愛いから、そのおこぼれだと思えば平気だぜ」

「それは良かったな。でもその改めてそうやって言われると、やっぱりまだ少し恥ずかしいな」

 

 善吉は恥ずかしそうに頬を爪でかいた。


「善吉~。そう言っているとどこかで恨みを買うぞ。……しかしだなぁ。俺も初めて会った時には驚いたぜ。俺と同じ異世界に転移した奴がいて、しかも、そいつがすでに嫁持ちだったとなるとなおさらな」

「俺も驚いたよ。まさかこの世界に来るとは思ってもいなかったし、しかも一緒に近くにいた女の子達が俺の許嫁だって言っているんだからな」


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