4来訪者
キルラは心配そうに善吉を見た。
「でもそれは善吉のやくわりで、キュン達にしかできないこと」
「俺はみんなのようには出来ないけど、その代わりサポートできていると思えば何も問題ないさ」
「大丈夫! 善吉君が少しでも楽が出来るように、今日もあたしがささっと依頼を終わらせて帰って来るね! で! でね! その後は一緒に―――――――」
「ほら! いろいろ言っていないでさっさと依頼を受けに行ってこい」
またしてもアメリアが言い切る前にキルラがグイグイとその背中を押す。
「ちょ、ちょっとキルラちゃん⁉」
「それじゃ頼んだよ。アメリア」
善吉は出て行こうとしていたアメリアに近づいて髪を優しく撫でた。
「っ⁉ …………もう善吉君ったら………。そ、そうしたら………。出かける前に……いつものお願いがあるの」
「もちろんだ。アメリア今日も……するぞ」
「もちろん。それにあたし達の関係なら日常だよ」
善吉の闇色の目を合わせた、アメリアは目を瞑って唇を上に向ける。
「分かっている」
善吉も目を瞑ってその相手をしようとした時。
「おーい。すいません! 善吉いますかー!」
ゴンゴンゴンと、玄関の扉が何度も叩かれ善吉を呼ぶ声によってムードはぶち壊され、アメリアは恨めしそうに声を上げた。
「なんで~っ。こうもタイミング悪い時に来るのかなぁ~! あの人わぁ~」
「ふっふっふ。残念だったなアメリア。さて来訪者の対応には私が行こう。それにこの声はどうせあいつだろう」
キルラが玄関に向かい扉を開けると、白い鎧に身を包んだ黒髪の騎士がいた。
「おっ! キルラさんおはようございます。いつもの総士です」
「黙れ小僧。殺すぞ」
頬を鷲掴みし、殺気を放ちながらの返事はとても刺激的であった。
「キ、キルラさんっ! イタイですよ!」
「黙れっているだろう。刻んで魔獣の餌にしてやろうか?」
「ちょっと、魔獣の餌はいやです………けど、というか、掴む手が強い気が………」
「おまえが馴れてしまわないように、今日は強めにしてやったぞ。感謝するんだな!」
キルラの指がさらに深く頬に食い込もうとした時。
「こら、やめないか」
頭にコツンと善吉の拳が下ろされる。
「きゃうん。善吉、何をするんだ!」
「キルラが悪い事をしていれば怒るのは当然だろ」
善吉に言われてキルラはゆっくりと頬から指を離すと、解放された総士の頬にはくっきりと指の跡が残っていたが気にすることなく話を続ける。
「キルラさん今の声可愛いですね。俺、好きになっちゃいそうですよ」
「黙れ、気持ち悪い!」
「ぐふっ」
キルラの前蹴りが総士の腹部に直撃し、そのまま蹴り飛ばされた。
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