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5家完成

「ただいまー」

「ゼン。お帰り」

「ただいま。キュンちゃん」

「アメリアもお帰り」

 

 空室状態の一階で出迎えてくれたのは、キュンティアだけだった。


「あれ、キルラちゃんはどうしたの?」

「キルラは休憩中。ゼン、それ持つ」

「おう。ありがと」

 

 キュンティアは善吉から袋を一つ受け取って、一緒に階段を上がっていく。


「俺達がいない間に作業はどれぐらい進んだ?」

「家具はある程度作れたけど、結局ここの家の素材を使ってしまうと移動が出来ないから、今は必要な物だけを作った」

 

 部屋に入ると、作られていたのは大きなテーブルとその近くにある四つの丸椅子。それに数段もある大きな棚が作られていた。

 

 その作品を見てみると細部にまでこだわりが施されており、いなかった短時間でこれほどの物を作り上げた二人には感謝するしかない。


「すごいじゃないか!」

「えへへ。がんばった」

 

 褒められたキュンティアは表情を緩ませる。


「善吉。それにアメリアも帰っていたのか」

 

 よろよろと現れたキルラは出ていく時と比べてかなり疲れているように見えた。


「キルラ、大丈夫か?」

「これぐらいは平気だ。それよりも素材の方は用意してくれたか?」

「もちろん。手に持てる限界まで買ってきたぜ」

 

 善吉は机の上に置いた買い物して来たものに指先を向ける。


「そうか。それで何を買ってきた?」

「買って来たのは布と綿がメインで残りは細かい物が少しずつ。あとは今日のご飯に使う食材だよ」

「これだけあれば装飾の他にもいろいろと使えそうだ。アメリア。ちなみにこれはどこで買って来たのだ?」

「これは街の市場で買って来たよ。選ぶのが難しくなるぐらい商品が集まっていたから選ぶのも大変だったね。それにいっぱい情報も手に入ったからこれを片付けた後に教えてあげる」

「そうか。どうやら私達はいい場所に住むことが出来たようだな」

 

 キルラは満足そうに頷く。


「キュンも手伝う」

「ありがとうキュンちゃん。そうしたらそっちの持ってくれるかな」

 

 アメリアはすぐに買って来たものを片付ける為に、キュンティアと共に部屋を出て行ってしまい、俺も手伝おうと後を追おうとするとした時にキルラに呼び止められる。


「なぁ。善吉ちょっといいか?」

「ん? なんだ」

 

 キルラに手招きされて部屋の隅へと移動する。


「お前たちは市場に行ってきたのだな」

「そうだけど?」

「その市場にはもっといいもの………というよりも変わった物はなかったのか?」

 

 キルラが声を潜めて問いかけるので、俺も自然と声を潜めながら出す。


「いいものというのは素材の質のことか?」

「いいや違う。もっと、その。刺激的なものだ」

「刺激的…………」

 

 刺激的といえばなんだ? 考えてすぐに思いついたのは香辛料ぐらいであったが、たしかに香辛料のようなものは売られていたが、キルラが香辛料を求めているとは思えないし性格から考えてみると……。


「もしかして夜に使うものか?」

「そうだ。察しがいいな。さすがは私の旦那だ」

 

 グッと親指を立てているキルラに俺は少し頬を赤くして動揺を隠せないでいた。


「お! おま! そういうっ! ……そんなものは売ってなかったぞ」

 

 思わず出てしまった大きな声を抑えて、今出来る限りの静かな声で返す。


「店もなかったか?」

「そうだな。基本的に普通の市場を想像してもらえれば分かると思うけど、ほとんどが露店見たいに商品を並べている所ばっかりだったし、いろいろと見て周ったけど、いわゆるプラスチック製品のようなものは見た気がしない」

「なるほど……。となると、今日露店で買って来たと思われる串も使われているのは木製の物だということからして期待は出来そうにないな」

「そうだな。それはその……残念だったな」

 

 思った以上にがっかりしているキルラを見て、慰めというよりも俺は率直な言葉をそのまま言っていた。


「いや、残念と決めるのはまだ早いぞ。次の質問だが皮や金属は売っていたか?」

「種類は分からなったけど、それは自体は売っていたな。というかそんなことを聞いてどうしたんだ?」

「なに無ければ作ればいいことだ。幸いにもこの世界は私が持つ力で素材を変化させることが可能だ。つまりだ。私が持っている知識を駆使して、素材を集め欲しいものを作ればいいのだ。よし決めたぞ。ふふっ。さてそうするとまずは何から集めたらよいか悩んでしまうぞ…………」

 

 ムフフフフフ。と一人で嬌笑しているキルラに俺は少しだけ引きつつも、すでに始まってしまっている夫婦性活が早速試される気がした。


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