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1におってないよね

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「それにしても見つからないね~。どこにいるんだろう?」

「相手も生き物だ。私達を察知してすでにこの場所にいないのかもしれないな」

「そうかもな。だがそれだと…………」

 

 強敵であるハンターウルフがいないことを知って俺は少し安心してしまった。

 

 だが、いないとなればそれはそれで困る。


ハンターウルフを討伐しなければ何も進展する事はないし、そうなれば今日の食事や寝床すら危ういのだ。


「仕方ない。ここは私の出番だな」

 

地面を蹴って跳躍し木の枝の上に上ると、遠くを見つめるように周辺を見渡す。


「なぁ、アメリア。キルラは何をしているんだ?」

「あれはね、キルラちゃんの能力〈遠隔透視〉で周辺を探索しているんだよ。〈遠隔透視〉は私達の中でキルラちゃんしか使えない珍しい能力なんだよ」

 


 能力。その言葉に息を飲む。

 

 それから俺は目を伏せながらつぶやく。


「すげぇんだな。キルラって」

 

 キルラは〈遠隔透視〉で周囲を見渡していると、何かを見つけその方向を指しながら方角を示す。


「アメリア! あっちの方向に、そのハンターウルフらしき奴がいるぞ!」

「距離はどれくらいなの!」

「そう遠くない。アメリアの足ならすぐだ!」

「わかった! それじゃ旦那様。ちょっと行ってくるね」

 

 一言残してからアメリアはすぐにその場から立ち去ってしまう。


「おー、さすがの速さだな」

 

 木から降りたキルラはアメリアを追う気配はなく、キュンティアも全く動こうとしない。


「二人はアメリアを追わなくていいのか?」

「それなら平気だろう。ここはアメリアを信じて待つとする」

「たぶんやることない」

「本当に大丈夫なのか……」

 

 二人の言葉を聞くが、それでも俺はアメリアの事が心配であった。


 でも、心のどこかでハンターウルフに恐怖を感じているのか、その場から踏み出せずにいた。


「旦那様―! 戻ったよ」

「うわっ! びっくりした!」

 

 行ったかと思っていたがアメリアはすぐに善吉の隣に戻っていた。


 その表情は何もなかったかのようにニコニコと笑っているが、頬についている返り血が、いない間何があったかを容易に想像させる。


「早かったな。私が見た感じではそれ程大きくは無かったが、実際はどうだった」

「キルラちゃんの見たままであってる。それにそんなに強くなかったから、近くにいたのもまとめて切り刻んでおいたよ。これで依頼は完了したかな?」

 

 アメリアは細い指を頬に当てて答える。


 姿はとても可愛らしいのに会話の中身とのギャップに善吉は苦笑いした。


「それなら私が確認しよう」

 

 キルラは再度木に登り、先ほどと同じように周囲を見渡してから、すぐに降りて眉根をひそめてアメリアに言い寄る。


「おいアメリア。おまえの倒したハンターウルフ。そのまま残してここに戻って来たな」

「そうだけど。それがどうしたの?」 

「その仲間がお前の匂いを嗅いでいるのか、迷うことなくこっちに向かって来ているぞ」

「ええええ! 私匂ってなんかいないよ!」

 

 スンスンと鼻で自分の服を嗅いでいるがその表情は複雑そうだ。

  

 というか原因はその返り血では?


「旦那様も嗅いでみて。あたし絶対に匂ったりしないから!」

「ちょっと待てって! ってうおおおっ! それよりも後ろ! 後ろ見ろって!」

 

 抱き着いて体を密着させていたアメリアの背後には、無数の赤い光のような眼光がいくつか輝いていた。


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