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7話

「というわけでおかえりなさい。あと、これ回収しますね。後は、あらら~。」


 ぱっと行って、プスッと刺して、サクッと返ってきた。


 何かしたかと問われれば何もしていない。本当にじっとすればいいだけの簡単なお仕事だった。


 はっきりって誰がやってもいいのでは、別の人でもいいのでは、と思うのだが。


「影響が少ない人、という前提があるでしょう。話をちゃんときいていましたか。」


 つまるところ、何かしらの副作用的なものが、あるらしい。


 オートモードとはいえ、神を殺したのだから影響がない、となる方がおかしい。ゲームならステータス爆上げだってあり得るし。


「それは、低レベルでボスに挑めばの話ですよ。ラスボスでも、レベルも上がらない、ということはよく割ることです。序盤からレベル上限まで上げる人もいますから、人それぞれ。あなたの場合は、」


「レベル60前後、ギリギリゲームクリアを余裕でできなくはないというとこでしょか。」


 何語だいったい。


 というか、あの世界レベル99が上限なのか。


「あるわけでしょう。例えばですよ。例えば。」


 若干、イラっとするのだが。こんな神様だっただろうか。それとも、慣れか。


 嫌な、慣れだな。


「ちょっとずれました影響ですね。他より死を感じやすくなってますね。他には光が反転して闇通り越して漆黒でしょうか。」


「他種族を排斥に力を入れていましたからね。それぐらいで済むんだから、むしろ、これだけで済んでいるのだから抗っていた方でしょうか。」


「調整しても死と怨嗟の影響は受けるのは仕方がないとあきらめてもらうしかないですね。」


 不穏な声が聞こえるのだが、死ってあれかな、線とか点が見えるやつ。怨嗟って何?


「直接的な要素は同じですが、そっち系ではないですね。えんさは怨嗟ですよ。漢字ならこう書きますね。」


 光の線で文字が書かれる。怨嗟。


 おんさって、読むんじゃないのか。


 どうして漢字で例えたのかは別にして、転生して数十年。普段使いしない、漢字の読み方を知る。


 なんだろう。呪いとか振りまくのだろうか。


「単なる呪い程度なら可愛いものなんですけれどね。」


「実際は死です。」


 死を振りまく? 死神?


「本当に振りまくわけではないですよ。死に触れ、場合によっては死にやすくすることができるかもしれない。でしょうか。」


 コーヒーの味の違いを誰でも明確に分かるなら別だが、ちょっとした違いを判らないのに、死神との違いを判るわけがなく。何が違うのだろう。


「人の死を直接見える上に干渉もできるんです。しかも、勝手に。死相が見えること自体は運命の神に愛され過ぎる人なら割といるので珍しいのですが、珍しくないのです。」


 珍しくないのか。


「大体精神的におかしくなって人生終了しますが、それは置いておくとして、これは死の気配というべき濃度?の変更を可能にすることができるんです。」


「信号機あるでしょう。死にやすい人が赤、もっとも死から遠い人は青。中間が黄色とします。そこに貴方という押しボタンを設置する。」


「本来は手動で押さなければならないのですが、あまりある死の気配がそれを自動に押し、青を赤にするように一気に変化させる。それができる。」


「ねぇ。呪いの方が可愛く見えるでしょう。」


 可愛いってものではない。呪いの方が優しく見える。


 確かに、呪いでも人が死ぬと思うが、より直接的過ぎる。


「直接的ってさっき言いましたよ。」


「ゲームだとこの後の物語なんてないから、ハッピーエンドで終わるんだけれどね。この後も人生は進むんです。」


「あっ、いま死んでいるのにって、ツッコミはなしですよ。」


 深刻な話をしていたような気がするな、最期は急に軽くなったな。

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