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6話

「というわけで2度目です。」


 神様が以前、普通の死に方をするのであればこんなところにはいない、という様なことを信じるのであれば、普通とは違った死に方をしたらしい。


「今回のは死に方が特殊ではなく、神様の慈悲というべきが、詫びというべきか。他の神がその存在をかけて理に介入して他の神依頼した結果です。」


「ですから、今回は、たくさんの人が転生するので安心してください。」


 安心する要素がどこにあるのかも、どうしてそうなったのかも、わからないのだが。


 みんなで手をつないで一列に並んでトラックが突っ込んできた状況じゃあるまいし。


「似たような感じですね。まあ、トラックじゃなくて戦争ですけれど。」


「参加してましたよね。戦争。」


 してた。しかも、最期は後ろにいる味方から一突きだった。


「そう。それ。」


「やり過ぎたんだよね。」


 勢力半分づつにしての戦争だからそういわれても仕方がない。なら、例え神様の口添えがあってもこんなことにはならないと思うのだが。戦争なんだし。


「本来ならば、例え一言口添えされていても軽く受け流し、後々、忘れて頃に正当性を確かめる、ということをすることが多いのですが、今回は相手が悪かったですね。」


 そんなにすごい神だったのか。光の神。


「一般的にはすごい神ですね。現にものすつっっごく偉い神とまではいきませんが、他の神より頭一つ分程度は闇の神と合わせて上にいたようですから。」


 そう聞く分にはかなりすごいイメージがわかない。


 基準値というものを知らないせいもあるが、どのくらいすごいのかわからない。


 というか、光と闇の神は同格らしい。


「表向きではそうなっていますね。実際は、対外的になると光の神の方が代替わりの回数が多いので闇の神の方が上です。」


「けれど。基本的に星の中でしか話が完結していませんから、関係なかったんですけれどね。」


 話の流れ的には口添え、というのが関係を持ったしまっ原因だろう。


「だから、やり過ぎたといっているでしょう。」


 ?


「わかっていませんね。」


「さっきも言ったけれど、それが一つの星の中で済む話なら問題はないんです。ただ、今回、世界を管理人は他の世界も管理していて、不便がないように一定のルールを作り、現地で手足となる神を創った。」


「これが個別バラバラなら問題ないのですが、中核となる機能を制限をつけて同一にしてあった。同じ問題が起こるとは限らないけれど、予防策として必要だから情報の共有する、って目的らしいけれど、今回がそれがあだとなったと。」


「サーバーから枝分かれするネットワークを作ってデータを共有する感じかしら。ただ、全部を共有しているわけではない。」


「それで、一つのデータがウイルスに侵されそれが、遡って全体に広まろうとして結果、原因の排除をしているのがいまの状態、と言えば想像しやすいでしょう。元日本人なんだし。」


 多分、ウイルスに侵されたデータというのがさっきまで住んでいた世界で、ウイルスというのは光の神それ自体?


 そうでなければ、お気に入りで、寵愛を受けているならともかく、そうでなければ、他の神が転生で口をはさむことはなさそうだし。


「だいたいは、その理解であっています。ただ、光の神自体もウイルスに侵されたとも言えなくもないのですべてが悪いとなるかどうか、判断がしづらい、と意見が分かれているのですが。」


「バランスを崩し、結果、他の世界にも多大な迷惑をかけている可能性があるのですから、理由はどうあれ、もめる必要はないと思うのですけれど。なにより、その方が簡単ですし。そう思いません。」


 どう思えと。賛同しろと。


 そうなるならそうなるで、よっしゃー、ざまぁ、っと思う気持ちがあるのは事実、ただ積極的に何かするかというと、そうではない。


 仕返しや、報復、逆恨み、それから、仕返しとかすごい怖いし。


 神様どうしで、もしくは、その上の存在で会議があるのなら、そちらで全て決めていただきたいのだが。


「目には目を歯には歯を、という精神は貴方にはないのですが。」


 なんで、呆れられているのか謎なのだが。


 戦闘大好きという人種ではないのだけれど。


「そうですか。残念です。では、他の人で検討しましょう。」


 討伐にでも出される予定だったのだろうか。


「本来は、ものすっっっっごく、大変な神殺しを手ごろにできるチャンスはそうそうないのですよ。」


 簡単に神様を殺すことを推量する神様ってどうなのだろう。というか、邪神扱いなのだが。


 もしやるとしても、呪いとか受けないの? 


 怖いのだけれど。


「大丈夫ですよ。あなたは、あの中で一番影響を受けずらいですから。それにしても話が早くて助かります。」


 影響を受けずらい? 話が早い? やる?


 つまりは、行け?


「そういっていますね。」


「その顔、わかっていませんね。」


「純粋に現地人ではないあなたは、現地の人よりも神の影響を受けずらいという単純な理由です。」


 受けずらいんだ。初めて聞いたのですが。そういうのは、前もって説明があるのでは?


「単純な話をするとあなたが、よその世界から来た転生者で、その魂は、世界に馴染んでいないからです。」


「他所の世界はどうなのか知りませんが、あなたがいた世界は転生者自体は昔からいるので珍しい方ですが、物凄く珍しいというわけではないのです。多少なりとも近代的な文化を感じたでしょう。」


「環境の改善か、娯楽の提供かわかりませんが、あの世界だけを管理者は転生を受け入れやすくするシステムを作ったんです。」


「転移した魂は、世界に対して上書き保存をして終了、とデータの移行をするような簡単な処理はされないんです。」


「人の生死を繰り返しゆっくりと世界にしみこみ、溶け込ませる必要があるのです。」


「そして、転生前の記録が無くなって処理が終了となります。」


「まだ、世界の影響を受けずらいでいるあなたは、世界を管理するために生み出された神様を殺しても、元が馴染んでいないのであるから、他の人よりも感知されづらいどころか、うまくすれば管理から外れ全く認識されない、ということもでき、行って刺して帰ってくる、で終わるんです。」


 理由はわかった。ただ、馴染む説明が、シミが着く、感じがするのは説明する人が悪いのか、説明書のような物にそう書いてあるのか、ちょっと気になるところではある。


 明らかに、時代が中世ファンタジーな世界で、蛇口を魔力を込めてひねれば水が出る魔道具、分解と消臭がついたトイレに自転車もどき等々、ちょっと時代的に先をいっていると思うものがある理由も。


 ただ、そんなに簡単に行くのだろうか?


 人生1回分は、世界に馴染んでいるのだから、認識ができないなんてことができるとも思えない。


「必要なものは全部揃えてあるります。他への根回しも話して済んでます。準備万端です。」


 急に決まったのではなく、予め下準備を終えている感が半端ない。


 これ、もしかしなくとも、よその世界の人なら誰でもいいのではと思ってしまう。例えば、よくある勇者召喚して邪神を倒すストーリーがあるよに。


「あ、気づきました。他の世界の神に影響が確認できた辺りから、惑星が崩壊するだけならいいけれど、もしかしたら、最悪、世界が崩壊してその余波で連鎖的に他の世界も崩壊もしくは半壊するかもしれない、と防衛対策を考えていたらしいですよ。」


「本当に最終手段として、よそから人をさらってきて勇者に仕立て上げ討伐という計画もあったとか、構想してたとか。」


「ついでに付け加えると、勇者は純粋な人族ではない、のから選ぶことになるみたいですね。」


 割と前からしっかりと準備していた模様。しかも、勇者は獣人か、エルフや、ドワーフのようだ。相手が人だからかな。


 他の世界から魔族が攻めてきて、勇者を召喚、対抗するというのが定番なのだが、その逆を行くようだ。


 ただ、そんな状況下で他の世界の神様に手を入れられた魂が来たから丁度いいか、になったようだ。


「勇者召喚なんて禁忌中の禁忌ですからね。制約がありまくりで召喚された人が自由にしすぎるとその責任も取らないといけなくなりますからね。」


 本当に都合がいいんだな。


「そんなわけでさっといって、ささっと終わらせてください。」


 言い終わると同時に両手を合わせ、パンっ、とはじけるように音が響く。


 急に物を持たされたような、ずっしりとした感覚、目の前に浮かぶ細長く先が尖った両刃の剣、そして、光の線。


「それに乗っていけば目的地に着きます。そして、そのまま照らしている先が急所です。剣を前に突き出しながら乗るだけで終わる簡単な仕事です。」


 かなり雑だが、そういう事らしい。


 ちょっとするだけで高額の収入を得られる不思議な仕事を思い出すのだが、気のせいだろうか。


「気のせいですよ。気のせい。なんなら姿勢制御もつけてあげましょう。」


「どーんと、いってきてください。」


 剣をとる以外の選択肢はないようだ。


 剣を持つと急に背筋が伸び一直線になるように前に倒れ込む。そしてそのまま前へ勝手に。


 さながら、流れるプールで泳いでいるよう。だた、本人の意思とは関係ない。


 ジェットコースターに乗ってたとき、歯を食いしばって、必死にバーを抑えていたのを思い出したのだから急流にのまれたの方があっているかもしれない。


「気を付けて行ってくださいね。」


 そんなことが聞こえてきたような気がしたが、実際はわからない。



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