4話
「見える人、見えない人。力を持っている人、力を持っていない人。」
「この4つを組み合わせのうち、不特定多数が、見えない人で力を持っていない人。所謂、普通の人達。特定の少数が力を持っている人で見える人。さっき言った人達がここ。力を持っていて見えない人。人じゃないものを感じやすいとか、なんとなく当たりがわかるとかが、この辺り。最後のそれとは逆、オーラが見えるとか、守護霊が見えるとかがこの分類。」
「それであなたは、基本的には、見えない人で力を持っていない人。なのに、条件次第で最後の見える人で力を持っていない人になる。寝起きとか焦点があっていない場合、認識が甘く世間とズレが生じるみたいです。」
「臨死体験、死を身近に体感、認識することにより、それを感覚的にでも理解することで見える人に変わる場合がありますが。あくまでも死を経験した結果です。後遺症といってもいいものです。」
「けっして、寝起きで意識がはっきりとしていないから見えないものが見えた、なんてことにはならないのです。」
どうして、そうなったのか分からないが、大変レアな体験をしたらしい。
そんな体験よりも感じがいい人の当たりがを引きやすいに興味がある。
小説に出てくる鑑定持ちの主人公が異世界から帰ってくるとそれを使って宝くじでウハウハというくだりがある。
働かずして大金ゲット。しかも、非課税。不労所得で非課税。いい響きだ。
「確かに楽してお金を儲けることの魅力に抗うのは大変な事です。きっと、私が同じ立場なら、同じことをしないという保証はありません。」
するんだ。
「個人的には、やりすぎでないこと、生きるために必要なことなら仕方がないかと。ズルではありますが、それを取り締まることができませんので、違法ではないですし。」
「それに、無理矢理、異世界に連れ去られたあげくに勇者認定させられたことの補償も含みますから。」
「それに、そう長くは使えませんから。言うなれば、ボーナスステージと言える環境でしょうか。土管の中に入ったらコインしかないと同じ状況です。」
わかりやすいが。いや、気のせい。うん。そういうことにしておこう。何も知らないしわからなければセーフ。
時間制限ある?
異世界帰りでヒャッハーしたあげくに、事件に巻き込まれたり、ご当地の、術氏? 術士? 術者? に見つかってヒーローをするんじゃないの?
だいたいの主人公は、そうだけれど。
「物語の主人公と一緒にしないでください。」
「どんな魔眼の一種でも、それらは所詮、後付けして受け取ったスキル。」
「いずれが使い物にならなくなります。」
?
「その顔わかっていはいませんねん。」
「魔力の総量が違うんです。」
「元から魔法、魔術がない世界からある世界に移動して、使えるようになった。」
「簡単にレベルが上がり、それに合わせて身体機能のも上昇、上昇する項目に魔法、魔術、に関するものがある、ただそれだけですが、それを使う際に外気魔力、もしくは、空気中に含まれている魔力というべきものを使っているんです。」
「そうしなければ、一定以上の術式なんて使うことできないから、そもそも、そういうなるようになっていからなんですが、それが作用しないと最悪爆弾のように、ばーんっ、と破裂、よく栄養失調で死亡でしょうか。」
「マジで。」
「マジです。」
「だから、元々、魔力がない、もしくは、総量が圧倒的に少ない場合は、それを補う方法をとらなければ個人の資質による範囲内でしか使うことができないし、自然回復量だって圧倒的に少ない。」
「そんな状態で、ぽんぽん、調子乗って使えばどうなるかわかるでしょ。」
「なるほど、それでボーナスステージ。」
なんで、ボーナスステージなのかわからなかったが、理由がわかったような気がした。
逆に言えば調子にのって、ぽんぽん、使わなければいいだけの話。ご利用は計画的に、というやつか。
「使えなくはないですが、そういう場合は、どこかにためた魔力を持ってくる、人から借りる、など下準備をする必要があるんです。だから、下準備や、下地がなしに視ることなんてできないし、使うことなんてできない。」
「そうでなければ、あれだ。えー」
「ここは任せて、先に行けっ、ごっこができるわよ。」
「命をかけた遊びはやだな。」
「なら、修行しなさい。それに似合うようにちょっとはサービスもしてあげる。」
そういわれて、眼と指先の焦点が合うように指をさされた。
「修行?」
「そう修行、へ、ごー。」
「え。」
ばんっ、と足元から音がすると、足の感覚がない。ということは、
「ばいばい。」
落ちるわけで、
「ああああああああああああああああああああああ。」