10話
「耐性に全振りした上に操作、感知系統にも使うかって、これだけあれば、使用にも補正かけてもよさそうですね。」
淡々と進むおまけの設定。チートを貰う側だから何も言うことはできないうえに、選択しは一応定時してもらったのだから、初めはあんなんだし、こんなものかな、って思ってしまう。
「深く考えない方がいいですよ。きりがありませんから。」
「その時は、最高、と思っていても時間が進むにつれて他にもあったのでは、と思い、現地人のスキルをみて、なにそれチートじゃん、ってなって、選ぶの間違いだったかなって、考える人少なからずいるんですよ。例えるなら、家選びと一緒ですね。」
「しまいには、クソチートって悪態をつく人までいるらしいですからね。自身で選んだに。どっちがクソなのだか。」
「実に人間らしい。そう思いません。」
言いたいことはわかる。人のことを言えるわけでないが、自分のことを棚上げにしている人は割と多い。
人のこと言えないが、世間が悪い、と一生思う人も一定数いることを知っている。
国、制度、時代、人口の多さ、上げればきりがないし、上げようと思えばなんにでも難癖をつけることだってできるだろう。
「ね、人間らしいでしょう。」
そうですね。しか言葉が出ない。
「だから、私は貴方に期待しているのですよ。」
期待されていることなんてあっただろうか。
「ここまでして、クソチートって言っても言わなくてもいいですけれど、より人間的な部分を。」
そういうことらしい。
あらためて、人間味がある人生とは、と聞かれれば、傲慢や、怠惰、理不尽、あとは、エロ? といったことが真っ先に浮かぶ。
親切、優しい、思いやり、という言葉よりも、真っ先に出てくるので、善人ではないのだろう。
そんな人間に期待されても。もういっそのこと盛に盛って全部盛りにするしかないか。
「出来て大盛を少し超えたか、大盛りぐらいですね。全部盛りにするには足りないものが多すぎますね。あと、別に勇者を期待するということはありませんので大丈夫ですよ。」
「あんなの条件さえそろえば、わいて出るので、特別ですけれども、特別ってわけじゃないですからね。」
「まぁ、死ぬまでには、結果的に全部盛りになることもできるかもしれませんが。それはこれ。これはこれ。だから早くしてくれませんか。」
つまり、選択次第では全部マシマシになるらしい。ただ、アンデット系統でそんなことになっても。魔王になるわけはあるまいし。王になるほど政治がわかるわけでもないし。政治家になりたいわけでもない。
勇者にもなりたいとは思わないが、勇者よりも強いというのはかっこいいと思う。いきっている勇者を見下したい。
選択、選択、洗濯、選択。
龍や、ドラゴン系ではないのにそこまで行くのか疑問なのだが。もういっそのこと蜘蛛系統でも選べるか聞くべきか。縁あるし。
「では、龍族か、ドラゴン族どっちがいいですか。それとも、爆発しますか。」
?
「そのままの意味ですよ。流れ的に察してください。」
⁇
「鈍いですね。フリーズドライされた野菜並みに解凍されないのですか。」
どんな例え? お湯で戻す乾燥野菜と一緒にされても。
「爆発はしない可能性もありますが、呪いに食い殺されるのだから同じでいいですよね。」
「そもそも、土蜘蛛の呪いを受けているのによく蜘蛛なんて選択肢にいれましたね。バカなんですか。バカなんですね。バカだからですね。」
三段活用だろうか。
「龍族か、ドラゴン族か。どちらにします?。」
アンデット系統以外にも選択ができたようだ。
部屋借りるときなら、重要事項説明義務違反?だったかにあてはまるのでは。
「聞かれなかったので。」
「聞かれなかったので。」
そうなんだ。
「そうなんです。ついでにいうと、龍族や、ドラゴン族って、信仰の対象になっていたりするので半神になりやすかったり、もとから神の因子が入っていたりするので、神殺しで得た因子を有効にできるんですよね。」
初めからその説明が欲しかったのにな。
「世の中、そういうものです。」
「何もなくアンデット系統。というよりも、正確には夜や闇の眷属と呼ばれる系統の種族。多少の代償、制限あり龍族、ドラゴン族。」
「提案としてはノンリスクをするのが当然では。好き好んで負債を背負う人はいないはずですし。」
いっていることはまっとうに聞こえるのだが、多分、やっていることはダメな方に入ると思う。
「選択肢が多くて悩まれるよりも、選択肢が少なく早く決まる方が、私含めて、多いですからね。」
「転生特典を勝手に選んでくれるから、わりと面倒なのでそのままにしている人達。」
神様は思っているよりも大変おおらかなようだ。
「あと、マイナス面を言うと大体のほとんどの人は拒否するのもありますね。」
なるほど。わかる。