セロめぇっ!!
──だけど、領地に魔獣が攻め込んで来れない様になるのは、良い事だよな。
領民も今迄よりも安心して暮らせる様になる訳だから、喜ぶんじゃないかな。
だからって、領主夫人を人身御供にするなんて、やり過ぎだよ!
セロの話をオレの隣で黙ったまま静かに聞いていたゼルは両手で頭を抱えていた。
思い詰めた様な表情をしている。
そりゃそうだよな…。
母親の第3妃が双子の姉から奪略婚をしていて、其の怨恨を晴らす為に態々ゼルを領主邸に招いて、滞在中に殺害する為に奮闘していた訳で──。
ゼルはオレの眷属になって不老不死になったから、其の時点で領主夫人の復讐計画は失敗していた。
ゼルを毒殺する事が出来た場合を前提に復讐計画を進めていたんだろう。
領主夫人は近隣の領地迄も巻き込んで、第3妃への復讐計画を成功させたかったんだよな…。
魔呪術を使って魔獣の大量発生を促したらしいけど、夫の領地を選ばなかったのは、時間が必要だったらしい。
殺害したゼルの遺体をバラバラに切断したら、1つずつ丁寧に梱包をして、≪ 王都 ≫にあるセセンテレン城の第3妃宛に贈り出さないといけないんだから。
手間の掛かる作業をやりきるには、其なりに時間が必要だった。
だから、時間を稼げる近隣の領地を選んだんだ。
とんでもないとばっちりだよな!
近隣の領地に魔獣が大量発生すれば、高い確率で援軍要請が来て、〈 マナ 〉の領主と息子は確実に領主邸を留守にする事になる。
領主邸は使用人だけになって手薄になるから、ゼルの作業を終えたら、内密に領主邸から逃れる為の時間も確り確保する事が出来る。
領主夫人が1人で逃げる予定だったのか、復讐計画を手伝ってくれた使用人達と共に逃げる予定だったのかは分からず仕舞いだ。
何の関係も無い近隣の領地を巻き込むぐらいだから、若しかしたら自分の身代わりを用意しといて、自分1人だけでこっそりと領主邸から逃亡する予定だったかも知れない。
協力者の口封じをする方法も考えたんじゃないかな?
魔獣が領地に攻め込んで来たら、マーナ兵団が出払ってる領主邸なんて、直ぐに陥落しちゃうよ。
まぁ…此処にはセロが居てくれるからな。
魔獣が此処の領地を襲いに来ても、きっと〈 テフの源みなもと 〉に変へん換かんしてくれる!!
…………多た分ぶんな?
ゼルゼリンネル……大だい分ぶん、参まいってるみたいだな…。
マオ
「 ゼル…。
大だい丈じょう夫ぶじゃないだろうけど、大だい丈じょう夫ぶか? 」
ゼリンネル
「 マオ……。
何どれに驚おどろいたら良いいのか分わからないよ…。
1度どに爆ばく弾だんを幾いくつも投とう下かされた気き分ぶんかな…。
ははは…… 」
マオ
「 ゼル…… 」
ゼリンネル
「 僕ぼくが死しんだ後あとの事こと迄までも考かんがえられていたとは思おもわなかったよ… 」
マオ
「 オレもだよ…。
良よく話はなしてもらえたよな… 」
セロフィート
「 ゼルさん、【 王おう子じ毒どく殺さつ未み遂すい事じ件けん 】の黒くろ幕まく,真しん相そう,全ぜん貌ぼうが明あきらかになって良よかったですね 」
マオ
「 …………後あと味あじが悪わる過すぎるけどな…… 」
セロフィート
「 ──マオ、行いきましょう 」
マオ
「 行いく?
行いくって何ど処こへだ? 」
セロフィート
「 魔ま獣じゅう討とう伐ばつです 」
マオ
「 魔ま獣じゅう討とう伐ばつ?? 」