♥ 創造主の館 8 / 客室 1 / 反撃開始
──*──*──*── 客室
セロフィートの転移魔法に依って、フロアから移動させられたエミルリアンは、突然の事が幾つも起こり過ぎて脳内でパニックを起こしていた。
小汚なかった粗末な布で作られていたワンピースは何時の間にか花園で着ていた侍女に支給されているメイド服に変わっているし、ゲロと糞尿で汚れていた身体も何故か綺麗になっている。
鼻が曲がりそうな臭い異臭もしない。
壁に取り付けられている姿見に映る自分の姿を見ると、髪もきちんとセットアップされている。
何処からどう見ても、誰から見られても恥ずかしくない侍女の姿をした自分が映っていた。
部屋の中を見回してみると、高級そうなソファーが置かれている。
壁紙も絨毯も天井に取り付けられているシャンデリアも壁に掛けられて飾られている絵画も棚に置かれている花瓶すらも超の付きそうな高級品ばかりだ。
テーブルも椅子もティーセットもティーポットも全てが時代を感じるアンティークで、誰のセンスなのか絶妙なバランスで配置されている。
何れも時代を感じる古い物ばかりではなく、真新しい家具や装飾品等も使われており、不思議な調和を生み出しているアンティークインテリアの室内だ。
何れも古い筈なのに全く古臭さを感じられず、上品さや気品さが漂っている。
はっきり言って王族が愛用しているアンティーク物よりも、高価な物ばかりが使われている。
どのアンティークも手入れが行き届いており、何れも新品ではないかと思い違いをしてしまいそうなアンティークが揃っている。
エミルリアン
「 …………何…処…… 」
エミルリアンは怖くなって戸惑っていた。
暫くすると絨毯の上に魔法陣が現れた。
魔法陣の中から出て来たのは、神秘的な美麗人のセロフィートだった。
エミルリアンは悲鳴を上げて逃げ出した。
ドアへ走り、ドアノブを掴もうとしたが、掴めない。
エミルリアン
「 な、なんで!?
──いやっ!! 」
ドアをバンバンと叩くが、平ペッたい。
セロフィート
「 叩いても無駄です。
ドアは壁に描かれた絵です。
出口はないですよ 」
エミルリアン
「 ──ひぃっ!!
来ないで!!
来ないでぇっ!!
いやぁぁぁぁああああああッッッ!!!! 」
エミルリアンはセロフィートを見て、けたたましいく叫ぶ。
セロフィート
「 そんなに怯えないでください。
エミルリアンさんには何もしません。
ワタシは安全です 」
壁に背中を付けて怯えているエミルリアンに優しい声で話し掛け、にこり…と微笑むが、エミルリアンはセロフィートを激しく恐れていた。
化物の子供を喰べた化物を撫でていたのは誰でもない目の前に立っているセロフィートだ。
化物を手懐けているセロフィートの言葉をエミルリアンが信じられる訳がなかった。
然し、エミルリアンの都合等セロフィートには関係無い。
セロフィートは構わずにエミルリアンに話し掛ける。
セロフィートに恐怖しており怯えているエミルリアンが、セロフィートの話す内容をきちんと理解しているのかは分からない。
微笑みながら一方的に話しているセロフィートを目の前にしているエミルリアンは「 絶対に死にたくない!! 」と思った。
「 此のまま、こんな訳も分からない知らない場所で死んで堪るか! 」「 殺されて堪るか! 」「 一矢報いてやる!! 」と思った。
然し、エミルリアンは武器らしい武器になる物を持っていなかった。
「 持っていないなら、有る物を使えばいいんだ!! 」と思ったエミルリアンは、身近に置かれているアンティークに手を伸ばした。
どんなに高価なアンティークだろうと扱い方次第で武器になるのだから、遠慮なく使うに決まっている。
手ぶらの時に気転を利かせ、身近に有る物を武器として扱う訓練は受けている。
エミルリアンは手に持ったアンティークを使いセロフィートへ攻撃を仕掛けた!!




