合成獣:ミジュイ
「 うん。
デュルハも楽しみにしてるよ〜〜 」
セロフィート
「 此の “ なりそこない ” は未だ使い道があります。
玩具にして遊んで良いですけど、喰べてはいけませんよ 」
合成獣:ミジュイ
「 は〜〜〜い♪ 」
セロフィート
「 宜しい。
庭へ転移させます 」
セロフィートが転移魔法を発動させると、〈 合成獣 〉の姿がフロアから消えた。
セロフィート
「 エミアンさんには暫く時間が必要かも知れませんね 」
セロフィートは実験をするのが好きだ。
面白い実験,面白くない実験かを知る為に思い付いたら吉日と言わんばかりに、どんな事でも取り敢えず実験をしてみる。
セロフィートが実験をするに辺り、被害者となるのは何時の時代も変わらず安定の人間である。
〈 久遠実成 〉に作られた人形達にとって、人類は幾らでも代替えの利く都合の良い玩具なのだ。
人間が勝手に決めて権利を主張している人権等というものも人形達には全く関係無く、実験台に暫し使われるのは至極当たり前の事だった。
神隠しや行方不明者が出ていた場合、若しかしたら人形達が何かの実験に使う為に転移してしまった者も居るかも知れない。
其はさておき──、大量に増えた失敗作の “ なりそこない ” は本来ならば共喰いをする為、放っといても構わないのだが、中には稀に共喰いをしない “ なりそこない ” も出て来る。
そんな場合には手っ取り早く処分する為に “ なりそこない ” を〈 合成獣 〉の餌にしていた。
然し、人間の味に慣れてしまい、舌の肥えている〈 合成獣 〉には “ なりそこない ” の味は不評だった。
そんな訳で、色々と手を変え,品を変えては実験を繰り返しながら〈 合成獣 〉の舌に合う “ なりそこない ” を作れないか試していたのだ。
実験はセロフィートの『 いけないお楽しみ 』である為、マオには内緒である。
セロフィートが実験好きだという事も人間を実験台にしている事もマオは知ってはいるが、セロフィートがどんな実験をしているのか内容迄は知らないでいた。
そんな最中に、滞在中の領主邸でゼリンネル王子の【 毒殺未遂事件 】が起きた。
セロフィートは実験台を確保する機会が訪れたと思った。
領主には悪いが、【 毒殺未遂事件 】に関与した全ての使用人を頂戴する事にした。
領主に断るなんて事はしない。
領主の雇った使用人達が、【 滞在中の王子を毒殺しようと奮闘している 】という一大スキャンダルを国王と第3王妃に知られてしまったならば、領主だけでなく、領主夫人,息子,領主邸で働いている使用人全員が≪ 王都 ≫で酷い拷問を受けた後で、【 ゼリンネル王子殺害容疑 】で公開処刑されてしまうのは避けられない。
例え〈 ノマ 〉で母国の役に立たないゼリンネルでも、王位継承権を与えられている正統な後継者なのだから、どんなに役に立たない御荷物王子でも例外はないのだ。
領主も息子も首謀者と協力者を自分達で見付け出したとしても、処刑はせずに厳しく罰する事はするだろう。
なればセロフィートが関係者の全員を貰っても問題ない筈だ。