✒ 領主邸 5 / 中庭 5
ゼリンネル
「 ご、ごめん!
でもさ、仕方無いのは分かってほしい!
人生初の初恋だったんだ!(////)」
マオ
「 胸張って言うな!
オレの女装が初恋だなんて、呉々も人に言うなよ! 」
ゼリンネル
「 分かってるよ。
其処は弁えるつもりだ 」
マオ
「 『 つもり 』じゃ、ないだろ!
“ つもる ” んだよ!!
──たく、オレは2度とドレスなんて着ないぞ!
オレは着せ替え人形じゃないんだ! 」
ゼリンネル
「 すまない…。
( マオには内緒で、こっそりセロッタさんに相談してみよう。
マオはセロッタさんに雇われてる身だから、セロッタさんには逆らえないみたいだし!
あぁっ、早くマーリンに会いたいなぁ(////) )」
マオ
「 ゼル!
顔がニヤけてるぞ 」
ゼリンネル
「 そ、そうかな? 」
マオ
「 ゼルも再来週には18歳か。
結婚してなくても王様から何処かの領地に配属されるんだよな?
ちゃんと準備は出来てるのか? 」
ゼリンネル
「 〈 ノマ 〉の僕を快く受け入れてくれる領地なんてないさ。
領民が求めているのはマーナを授かった〈 マナ 〉なんだから… 」
マオ
「 そうだろうけど、何もしない訳にはいかないだろ。
準備はしとかないと 」
ゼリンネル
「 …………そうだけど… 」
マオ
「 ゼルの婚約者にマーリンの〈 器人形 〉をセロが用意してくれるんだから、大丈夫だって。
護衛に戦闘用の〈 器人形 〉も付けてくれるって話だし。
ゼルは〈 ノマ 〉だけど、セロが確り戦力を用意してくれるんだから、誰からも無下にはされないよ 」
ゼリンネル
「 マオ… 」
マオ
「 堂々と胸を晴れよ!
〈 器人形 〉がゼルの代わりに魔獣を倒してくれるんだ。
戦闘用〈 器人形 〉が居れば億人力だぞ!
ゼルが治める事になる領地は、ゼルが領主で居る間は安泰だよ 」
ゼリンネル
「 …………うん… 」
マオ
「 ゼルが最優先にしないといけないのは、跡継ぎを生んでくれる女性を探す事かな。
ガンバ! 」
ゼリンネル
「 そうだね…。
見付けられるかな? 」
マオ
「 意地でも見付けろよ。
〈 器人形 〉とは子作り出来ないんだからな! 」
ゼリンネル
「 努力はするよ… 」
マオ
「 ところでだけど、何処で其の貝殻を見付けたんだ?
領主邸の庭に砂浜なんてないだろ? 」
ゼリンネル
「 拾ったんだ 」
マオ
「 拾っ──ゼル!!
犬じゃないんだから、其処等辺に落ちてるのを無闇に拾うな!
仕込まれてたらどうするんだよ 」
ゼリンネル
「 別に何ともないから大丈夫じゃないかな? 」
マオ
「 …………あのなぁ〜!
『 用心してくれ 』って言ってんの!
庭に貝殻が落ちてるなんて不自然だろ? 」
ゼリンネル
「 そう…なのか?? 」
マオ
「 ゼル……。
もう、いいや…。
其の貝殻を拾った場所に案内してくれないか 」
ゼリンネル
「 分かった。
此方で拾ったんだ 」
ゼルの案内で貝殻が落ちていた場所へ向かうと、誰かが居た。
ゼリンネル
「 マオ、此処だよ。
此処で貝殻を拾ったんだ! 」
胸を張って自慢気に言うゼルを張っ倒してやりたい気持ちになるけど、オレは大人だからな。
此処はググッと堪えるんだっ!!
マオ
「 此処から拾ったのか…。
どう見ても明らかに何かに使う為に置かれている様に見えるんだけど? 」
ゼリンネル
「 要らないから捨ててあるんじゃないのか? 」
マオ
「 ゼル……。
一国の王子は捨てられている物を安易に拾ったりしないものだろ 」
ゼリンネル
「 こんなに綺麗な貝殻でもいけな
マオ
「 駄
王
教
ゼリンネル
「 一
僕
自
落
マオ
「 本