──*──*──*── とある領主邸
オレの名前はマオ・ユーグナル。
“ 自称 ” 吟遊大詩人のセロフィート・シンミンに雇われた専属の守護衛士だ。
戦闘専門の剣術士としても、教える側の剣術師としても務める事が出来る。
オレが扱える武器の類いは、短剣,中剣,長剣,大剣,刀だ。
短剣,中剣,長剣に関しては、双剣士,双剣師として務められる資格を持っている。
刀に関しても双刀士,双刀師の資格を持っている。
片手剣,両手剣のどちらも扱えるオレは、≪ ランビュサダレ大陸 ≫中を探しても珍しいんだとか。
≪ ランビュサダレ大陸 ≫に居る間は手に職を持っているお蔭もあって働き口に困る事がないから助かる。
セロ── セロフィート ──が居てくれる限りは≪ ランビュサダレ大陸 ≫内で生きていくのに金銭面で困る事もない。
仮に≪ ランビュサダレ大陸 ≫内でセロとはぐれてしまって、離れ離れになってしまったとしても、何をしなくても100年間は余裕で遊んで暮らせるだけのお小遣いをセロから貰っている。
セロの財力は地球の中で1番だ。
あらゆる紙幣も硬貨も甚も簡単に大量に〈 テフの源みなもと 〉で構こう成せいする事ことが出で来きるのだから最さい強きょうだ。
何い時つでも何ど処こでも欲ほしい分ぶんだけ〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉で構こう成せいされる紙し幣へいも硬こう貨かも本ほん物ものだから犯はん罪ざいにはならない。
…………た…多た分ぶんな?
上じょう限げんなんてないし、無む限げんに増ふやせるわけだから、何い時つでもセロとウハウハ生せい活かつを楽たのしめるんだ。
目もく的てきがあって旅たびを続つづけているから、しないけどな〜〜。
オレは≪ セセンテレン大たい国こく ≫を統とう治ちするセセンテレン国こく王おうの嫡ちゃく子し、第だい11位い王おう位い継けい承しょう者しゃの王おう子じゼリンネル・クロネッタ・アバントール・セセンテレン── 通つう称しょうゼル,愛あい称しょうゼルリン ──の護ご衛えいとして、とある領りょう地ちへ赴おもむいている。
現げん在ざいの領りょう主しゅから招しょう待たいをされて、領りょう主しゅ邸ていにて招しょう待たい客きゃくとして滞たい在ざい中ちゅうの身みだ。
領りょう主しゅから直じき々じきの招しょう待たいなだけあって、滞たい在ざい中ちゅうは有あり難がたい程ほどに至いたれり尽つくくせりで、過すごし心ごこ地ちは申もうし分ぶんない。
領りょう主しゅ邸ていに住すみ込こみで働はたらいている執しつ事じや侍じ女じょの使し用よう人にん達たちも、常つねに笑え顔がおで親しん切せつに対たい応おうしてくれる。
接せっし易やすいし、話はなし易やすいし、直すぐに打うち解とける事ことが出で来きてしまう程ほどだ。
まぁ…お仕し事ごとだし、滞たい招しょう在ざい待たい者しゃ客きゃくに感かんじ悪わるく接せっすると領りょうお仕えして主しゅいる御主人のイメージを悪わるくするだけだ。
領りょうお仕えして主しゅいる御主人のイメージを守まもる為ために、使し用よう人にん達たちは自じ分ぶんの役やく目めに誇ほこりを持もって、プロフェッショナルな仕し事ごとをしてるだけなんだろうけども……。
それにしては、オレに対たいする使し用よう人にん達たちの接せっし方かたや言げん動どうがやけに砕くだけたフレンドリーな感かんじに思おもえるのは、どゆ事ことだよ!?
別べつに良いいんだけどな!
王おう子じのゼルゼリンネルに対たいしても、吟ぎん遊ゆう詩し人じんとして同どう行こうして来きたセロに対たいしても、規き則そく正ただしく礼れい儀ぎ正ただしく失しつ礼れいのない接せっし方かたをしているんだし。
…………これもそれもオレが小こ柄がらで童どう顔がんで小しょう徒と── 良よくても中ちゅう徒と ──に見みえる体たい型けいで成せい人じん男だん性せいに見みえない所せ為いだからなのか!?
悲かなしいっ!!
「 マオ君くん 」「 マオちゃん 」「 マオきゅん 」「 マオマオ 」とか色いろんな呼よび名なを付つけられるのも、侍じ女じょ達たちから美お味いしいお菓か子しをお裾すそ分わけされるのも全ぜん部ぶ、オレが子こ供どもっぽいからなんだな!?
…………泣なけて来くる。
流さす石がに執しつ事じ長ちょうや侍じ女じょ頭がしらからは「 マオ様さま 」って呼よんでもらえているのは、細ささやかな救すくいだよ。
そんな事ことは兎とも角かくとしてだけど────。