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第5話 立つカラス跡を濁しまくる


 さあ、やってまいりました山伏がとおる山脈ルート。モンスターもちょっと生態が違いますね。

 ラフレシアーンや、カリフラワーンなどが生息。巨大アーントもいます。語尾を伸ばせばいいってもんじゃない。


 そそくさと忍び足をしつつ、カミカゼ化けカラスを探索。スライムほど簡単には見つかりませんね……。


 4時間ちょっと歩き回ったら頂上に着いてしまいました。山伏が1時間という道を、4時間くらいで歩いてこれる。強いな……。



 あー! いーまーしーたー! デカいカラスが! あれがカミカゼ化けカラスですね。化け物のようにデカいもんね。

 作戦は考えてきたけど、大丈夫かなあ……。まあ死ぬつもりでやってみます!


 気配を出しておびき寄せ! おっと、大空に舞い上がられました。

 構いません、両手で火の矢を連射! 連射! 連射!

 当たっても当たらなくても別に良いです。りょうてが行っている発射角度調整がとても良いので当たりはしないものの、掠めていますね、OKOK。


「業を煮やしてくださーい。かもーん、かもーん」


「クワッー!」


 なかなか業を煮やしません。私の精神力枯渇を狙っているのかな? 残念ながらこのくらいの連射では精神力の回復のほうが追い付きます。鍛錬と身体能力向上ジュエルの効果だ!


 れんしゃれんしゃー。ほーれれんしゃー。カラスの体力がどれだけ持つかな? ケッケッケ、カラスのほうが追い詰められている感じがするぞい。


 小1時間ほどやりあっていたのですが、さすがのカラスもそろそろ体力切れっぽくて。グウ! っと高度上げた後私に突進を仕掛けてきました!


「きたー! 耐えてよーバックラー!」


 私は木製のバックラーを両手で据えて、突撃に対抗します!


 うおーぶつかる! ここでスキル!


「狙う!」


 バックラーをカラスの攻撃してきた足に引っ掛けて、あえて深く突き刺させます! 一瞬まさに足をとられる化けカラス!

 ここだぁ!


「スマッシュ!」


 今度はスモールシールドを思い切り下にぶちかます! 足が引っ掛かっていたカラスは引きずりおろされるように地面に激突!


 そうです、あえて木製スモールシールドを使ったのは、木製なら攻撃してくる部分、足かくちばしと予想していたのですが、それが深く突き刺さって抜けなくなるだろうということを見越していたのです!

小さいスモールシールドだけど、【狙う】で精密に誘導したから万事おっけい。


 さあ地面に落ちた鳥なんざ赤子をひねるようなもの。利き腕の左手を中心に両手で木刀をもって、

[ひだりて:両手が【狙い】つつ]

[みぎて:本体が【スマッシュ】だお!]


 叩きつけるようにスマッシュ!


 叩きつけるようにスマッシュ!


 叩きつけるようにスマッシュ!


 スマッシュ!

 スマッシュ!

 スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ! スマッシュ!


 木刀が折れるころには化けカラスの命も折れていました。なーむー。

 スキルジュエルと魔石を抱えてさくっと下山。ハンターギルドに持ち込みました。


「今日もきつねのくーちゃんだよぉ。こゃーん。この討伐履歴、確実に化けカラスだねぇ。賞金は1000ドルエン。おめでとぉ」


 ひょー、これで賞金首の懸賞金を支払えまーす! ばんざーい!


 魔石も売れて万々歳。あ、スキルジュエルを鑑定してもらおう。水生成以外のドロップ品は未鑑定が続いてるなあ。未鑑定はレアスキル。今回は2個もある。


「シュッシュシュ! シュッシュッシュ!」


 今回は93歳のおじいさまにシャドーボクシングをさせています……危ないのでは。


「ぶべら……まずは身体能力向上のスキル……そしてこれは浮遊じゃ……ちょっとだけ空を飛べるぞい……ゲボォ!」


 あ、血を吐いた。お金を支払ってサイナラー。

 翌日死体が発見されたそうですが、シラナイシラナイ。


 さて浮遊を【取り込み】。……動けばアクロバティックな動きができそうだし、飛ぼうと思えば低空低速だけどお空を飛べそうだわ。

 お次に身体能力向上のスキルを【取り込み】。……ふ、ふふふ、フハハハハハ!

 

 ドドスコに戻り、懸賞金をきっちりと支払って犯罪を清算。

 さすがにモンクの服もぼろぼろになってきたので洋服買って、靴取り替えて。

 短剣やダガー、ナイフなど冒険装備を整えて……野営装備も軽く整えて……。

 

 いざゆかーん! 次の国! 



 え、冒険者ギルドが私に話? なんだろ?

 向かってみたら個室に呼ばれまして。

 こんこんこん、失礼しまーす。

「ああ、ひまわりか。私はギルドマスターだ。カミカゼ化けカラスを倒した功績を山伏が非常に感謝しているみたいでな、持ち逃げ罪の相殺と、ギルドへの復帰を求めてきたんだよ」

「ほー」

「おめでとう」

「はい」

「それだけだ。新しく山野牡丹としてやり直せるぞ」



 ……黄色いひまわりから真っ赤な牡丹に戻りました。……よっしゃあ。よっしゃあ!


 名前が戻ったのでハンターギルド身分証の名前も山野牡丹へ変更……しません。山野はもういない。今からの私は、山に咲く花のような存在。


 そう、山咲牡丹(やまさき・ぼたん)としてやっていきます。


 大切な名前がパワーアップして戻ってくるってこんなにうれしいんですね。よっしゃあ! そいやっさー! ソイヤソイヤ!


 冒険者ギルドの受付で山咲牡丹として登録しなおしてっと。ランクはG始まりだそうです。最下級。名誉ランクみたいなものだから、しょうがないね。



 これで再出発やぁ……!

 でも私は冒険者ギルドでパーティを探して組むとかはしないな。



 もう私には、ひだりて、みぎて、というパーティメンバーがおる!



[ひだりて:うほっいい女]

[みぎて:涙ちょちょぎれるおっおっおー!]




 私と2人分の脳、3人で頑張っていこー!

「[[おー!!]]」


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