表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/43

第32話 特徴を掴まれた。




 もうむだだとお・も・う・よ。ぼたんちゃーん。

 お迎えする準備をしないとねえ、ぐふふふふ。



「ぬあぁ!?」



 夢、か。くそ、なんでだろう。化けるのはやれることはやり切った、ミタマに戻ったのがだめだった?でも化けるを解いたのはあの部屋。ミタマから直接牡丹はまずい気がしたので、数回違う人に化けてから牡丹になってる。そのまま牡丹で行動して人込みの中で化けなおし、最終的にミタマに戻ったのはケンタウロスの野営地。何でバレる?


[ひだりて:私たちがいるから、特異体質だから、というのは違うでしょうね。それならもっと早く見つかってます]

[みぎて:化ける前の牡丹は完全に解析されていて、牡丹が見つかった瞬間に特徴を掴まれたんだお。化けても変わらない特徴だお]


 特徴的で化けるが効かない。もうそれって……。



 この右手しかないじゃない。



 右手を治して化け切るか、博士が右手を見つけ続けて最終的に私と合体するか。どちらが早いかの勝負になっちゃったな。


 化けるが効かないなら化けてもあまり意味がない。なので一度牡丹に戻りました。こっちは冒険者ギルドランクがそこそこで総合能力が良いから、情報収集しやすいと思う。ミタマは本当に一般人だったからね。


 ああ、しっぽの穴が洋服に開いてるのでしっぽだけはついてる。


 情報収集だけど、単刀直入に冒険者ギルドで聞けばわかるでしょう。何度か事情を説明しているけど、うちにそういう技術はないみたいな、隠すようなことは言われてないのです。


「あーうちらドワーフの国じゃねえわ。もっと奥に進んだ国に住んでいるマウンテン族に伝わる回復術だな。しかし、とんでもなく高価だぞ。10万ドルエンは最低でも用意しねえと」


「む、無理すぎます……。うーん、ほかの種族には伝わってないのでしょうか?」


「んー、うちらは武力と鍛冶が担当なんでよくわからねえや。エルフの国にいけば情報は見つかると思うぞ。エルフの国でどうにかできるかは……ちょっとな」


「ありがとうございます、エルフの国で調べてみます」


 旅費稼がないとな。ということでハンターギルドに立ち寄ったのですが……。


「今のところ、ユニコーンをおとなしくさせる処女を募集してるくらいしかねえなあ。基本この小国連合は平和なんだ」



 はい、無いものはない。


 諦めてエルフの国まで歩きます。

 牡丹なら借金くらい平気だけど、全部うまくいって手が蘇生しても、借金が恐らく残っちゃう。借金を返せる程度に稼げるのは鉱山採掘経験や冒険者ギルドランクがそこそこある牡丹なので、牡丹で活動しないとだめ。結局手が治っても解析が完全にされちゃってる牡丹で動くことになっちゃうね。

 時間と戦ってるのにこれは難しすぎる。



 さあエルフの国だ。小国連合は半島に存在する連合なので、半島を奥に進めば次の国には行ける。半島は三又に分かれてるけど、エルフの国は半島が分かれる前に存在しているって地図にはある。ここで情報を手に入れて、三又のどこかに進めばいいんだ。


 歩こう。


 *

 うーん、ぼきがそっちに行って合体するのと、ぼたんちゃんをその世界から吸い上げて合体するの、どっちがいいかなあ。でふふふ

 *

 ぼきスキルないし、そっちいったら死んじゃうねぇ。吸い上げることにするよぉ。でふふふ

 *

 さくせいかいしぃ。でふふふ

 *

 今5パーセントくらいだよぉ

 *

 10ぱーせんとぉ

 *



 夢でもなんでもなく、脳内に響かせてくる。うるさいけどしょうがない。無視無視。



 ――――


 そんなに時間かからずにエルフの国へ到着。本当に美しい国なんだけど見て回る余裕もないので冒険者ギルドに。


「あーええとですねぇ、ギルドにはそういう情報はないのですけどねぇ、エルフの大図書館がありますよぉ。そこで文献を調べればマウンテン族以外の方法もわかると思いますぅ」




 エルフの大図書館。それは、長命族であるエルフがこの星の仕事として携わってきたとても大きな仕事の結果物。


 有史以来様々な文明が興りそして滅んでいった。その時々の文明がこの図書館にデータを献上し、そしてデータを閲覧してきた。


 そう、ここには本当にめちゃくちゃな量の情報物がある。紙からデータファイルまで、保存形式はその時の文明によるんだけど。


「ここには有史以来すべての知恵が集まっているといっても差し支えないです。が……」


「閲覧するには、データを献上しないといけない……」


「はい。閲覧できる量は献上できたデータの量によります。献上するデータは、あちらの部屋に入れば吸い取られますよ」


「あの、データって献上したら消えちゃうのですか?」


「そうですね、消えます」


「そうですか、ありがとうございます。ちょっと整理してからまた来ますね」



 私、データがないわけじゃあないんだ。すごい膨大なデータがある。



 そう、りょうて。彼らは情報を処理するのと同時にデータを保存して解析しているって話なんだよね。



[みぎて:僕たちはそのデータによって存在してるんだお。だから多分だけど、吸い上げられるのは僕たちだお]

[ひだりて:データがなくなれば、恐らく私たちは機能を停止します。データのない機械は動きません]



 出来るわけ、ないじゃんか。できるわけ、ないじゃん。


[みぎて:ま、そうだとおもったお。]

[ひだりて:ちょっと静かにしていてくださいね。あなたは一人でもやっていけますよ]


 え、あれ、身体が勝手に動く。え?


[補助脳A:体のコントロールを奪取]

[補助脳B:意識乗っ取りまであと5・4・3・2・1……今]



 そんなのってないよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ