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第31話その2 テクテクあるいてモルフィン小国連合に。



 モルフィン小国連合には徒歩で行くことになっちゃいました。今の私は『中堅冒険者牡丹』じゃなくて本当ただの『一般人ミタマ』。いわゆる護衛依頼で移動とかはできませんでした。残念。

 それと、普通は魔導飛行船で移動するんです。遠いので空を使って一気に飛んじゃうんですね。

 一番最低料金の費用が捻出できませんでしたわ。牡丹に戻れば借金できるんだろうけど牡丹としての痕跡を残してはいけないというきつねの直感が働いたんです。パール先生の体を参考にしたきつね亜人ミタマの直感。信じることにしました。


 徒歩でも歩けばつく。気合入れて歩きましょう! れっつごー!



 徒歩もなかなか楽しいなあ。道具はすべて収納されているから移動に邪魔なものはないし、基本的に貿易する車しか通らないので緑も豊富。村なんてないけど、動物は悪食のおかげでなんでも食べられる。焚き木を集めて夜ぼーっと焚火を眺めながら靴の補修をするのも結構乙なものがある。

 空を見上げれば美しい星々に綺麗な月が2つ。

 それを見ながら毛布にくるまってると自然と寝ちゃうし。みぎてひだりては交互に休むので全く警戒してないわけでもない。なので本当ぐっすり眠れちゃう。


 ここまでのんびりしてるのは久しぶりな気がするなあ。


 本当に今までいろいろなことが連続的に起こってきた。暇らしい暇がなかったなー。


 何年動き続けたのかはもう忘れたけど、今はそれで汚れていた心を洗っている気分。


 本当、たまには良いや、こういうのも……。


 *


 ちなみに毎夜行っている行為があって。それは槍を磨くこと。

 右手が無くなっちゃってからどうしても使えなくなっちゃったんだよね。両手で扱うからね。

 お金がないから棒を買った、それだけの出会いなのに木刀でぶん殴ってカラス殺したし、パール先生に師事もしたし。

 ムサキを殺す際の一連の動作はこの槍じゃないとできなかったと思う。


 なんだかんだで相棒になってる。


 ああ、早く治して、早くLvを上げて物理で殴るをしたいなあ。


 *


 モルフィン小国連合は遠いとはいえ、今は夏季に近くて日中は長いし、私は身体能力向上スキルの関係もあってかなり早く歩ける。

 どんどんと歩いて連合の内部に入ったようです。斥候のケンタウロスさんに遭遇しました。デカい、想像以上にデカいですケンタウロスって。地球の大型馬とかの比じゃない。

 事情を話すと、近くの街まで乗せていってくれるということに。うそーケンタウロスってそう簡単に人乗せたっけ? なんかうれしいー。


 さてその大きなケンタウロスさんの背中に乗るんですが、騎乗道具とかあるわけじゃないので自然と人の部分にしがみつく形に。ガタイ良いなーなんて思いながらしがみついたんですが、ケンタウロスさんの顔がちょっと赤い。ああ、そういや私パール先生を元にしてるから綺麗だったしスタイルもよかったわ。

 もっともっとぎゅーってしがみついてあげることにして、街まで輸送していただきました。ふふふ、ありがとね。


 さてその街は飛行船発着場がある、いわゆる入管の街っすね。入国管理。貿易の車も通るので、陸の入管ももちろんありまーす。そこで入国審査をすることになったのですが、右手の事を話すと、個室に移動させられました。おろろ?


 スーツを着たライオン系の亜人さんが部屋に入ってきました。

「わが連合にようこそ、まずはその変化の術を解いてほしいのですが」


「まじすか。わかりますか」


「入国管理局なので。着替えが必要なら女性を連れてまいりますが」


「ああいや、すぐ解けるんですが、これこれこうで、あまり解きたくないのが本音でして……」


「ふーむ。まあそういう方もいらっしゃいますよ、この連合には。では収納系の中身をすべて見せていただいて、そして特殊な個室で変化の術を解いていただきましょう。そこは誰にも看破されないかなり強固な隠密スキルを使ってありますから、問題ないです」


「わかりました」


 ということで収納系は全部渡して、その個室で化けるを解きました。

 名前から各種ランクまで全部本物を記録されましたが、入管ですしねー。


 化ける解いてから少しばかり時間がかかりましたが、入国許可が出ました。

 物を全部返していただいて、化けなおして。


 晴れて連合の入り口の国、ドワーフ王国に入れました。






 化ける解いている最中に、夢じゃない覚醒しているときに、


 みつけちゃったぁ。


 って言われました。脳内に響いた。


 入国後数回化けなおしたので大丈夫なはずだけど、もう牡丹には戻れそうにない。

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