第31話その1 次の国へ。
そういえば、艦は科学技術の塊だったと思うんだけど、手術に使った動力が魔石ということは魔導で動いていた部分もあるってことだよねー。
科学と魔導が融合するって、この世界っぽくていいな。スキルはどうなっていたんだろうね?
よくわかりませんがとりあえず艦を後にして観光を再開。
楽しかった、けどさすがにこれ以上右手に凄い変化が起きるようなものはなかったですわ。
右手がくっついて少し出歩いて思ったのは、まず隠したほうが良いということ。不気味。これだけでモンスターと間違われる。
分かったのは、骨って軟骨と筋でくっついているので、いくら元に戻ったとしても、筋がくっついてないと取れる。今は念力で綺麗に縛ってあるんだけど、形状保存を助けてくれるなにかか、それこそ筋肉が欲しい。
遺跡でどうにかなるとかいうものじゃない感じがします。
肉や筋は生体部品です。手術で必要な神経に骨や軟骨は綺麗にくっつけてくれたけど、それだけなので逆に戦力としては落ちてますね。
今右手で殴ったら右手首から先がバラバラになっちゃう。軟骨も骨の強化スキルの恩恵にあずかっていると思うんだけど、それは私の軟骨であれば。今ある軟骨は手術機械が作ってくれたジェルみたいなものでスキルの恩恵にあずかれていない。
魔法の店で一度相談しよう。首都に戻ります。
「付与でどうにかなるという話はここでも聞きませんが、自己再生や蘇生などのスキルはモルフィン小国連合のマウンテン族が所有していると聞きます。そこでなら治せるのではないでしょうか。」
「ここではどうにもならんですか?」
「付与の範囲ではありませんね。失った部位を治すのは無理があります」
なるほどそっかー。とりあえず上等なレザーグローブをこしらえました。
右手を隠せるし、何かのはずみで骨がどこかに飛んで行ってしまうとかを防げる。
それとお洋服にも冒険服にも、右手がしっかりと入るポケットを付けてもらった。右手は可能な限り固定しちゃった方が都合がよい。ぎりぎりでくっ付いているんだ。神経は露出しているんだ。
さて。
ロゼス王国から離れて、行ってみましょうモルフィン小国連合。
治す以外にも理由はあってね。
ロゼスはレアスキルは非常に高くなってるし一般スキルはほぼ手に入らない状態なので成長するのが難しいです。対して勇者ユウイチはステアミナ神王国で入手できるスキルなら集め放題。なんの神かはわからないけど、チートを授けるような神様もついてる。スキルLvの限界突破を何度も繰り返されたら中長期でみると力が引き離されます。小国連合で右手を治し、スキルを集めたほうが成長するはず。Lv3スキルを取り込めば私はLv27まで引きあげられる。Lv27ならそうそう負けることはない。あっちは普通でしかスキルレベル成長できないはずだしね。
Lv10にするのは容易って言っていた気がするけど、Lv30にするのは相当難しいでしょう。スキルジュエルいくつ必要なんだろう?
よし。それじゃ、ちょっと行ってきます。モルフィンへ。




