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第13話 今の時代はオークに種類がありすぎてようわからん。


 北の国、カオマース大公国のティムハンドで師事する前に、もう1個くらいダンジョンを体験しておこうかなと思いまして。


 今回は管理されたダンジョン。入場料を払いますが本当に管理や設備が行き届いてます。基本的に出現モンスターが〈おいしい〉ダンジョンはこうなっていたりいます。資源としてのダンジョンみたいな感じ?


 私が今回挑むのは、イノシシダンジョン。3層構造の降りていくタイプのダンジョンとなっていて、階層ごとに出現するモンスターは固定。

 部屋の配置は小部屋と中部屋、そしてそれを繋ぐ通路、という感じですね。

 地下1階はイノシシの赤ちゃん、地下2階はイノシシ、地下3階は豚頭のオーク。となっているそうです。



 どのイノシシさんもお肉がおいしいので、結構人気のダンジョン。入り口では亜空間倉庫のエンチャントが付与されているのバックパックなどが貸し出されていたりします。


 わたしもお肉をゲットして、売ってお金にするんだーい! バックパックを借りて、入場料を払って侵入!


 1階は結構にぎわっていて、非常に効率よく赤ちゃんが惨殺されていきますね。


[みぎて:物騒な言い方はよすんだお……]


 2階へ降りましょう。ザッザッザ。


 2階はイノシシ。デカいイノシシは500キログラムを超えてきます。これはいい訓練。いや勝てねえから。小型のクマクラスやぞ500キログラムって……。でも倒せればおいしいためか、大火力の魔導猟銃の発射音がそこかしこに聞こえます。

 魔導銃というのは、自信の魔力によって弾丸を生成しそれを魔導加速機構(魔導レールガン)で一気に加速させて発射する兵器。

 うーむ、イマドキの銃はそうやって火力を出すのか。銃とか、くそ……SS勇者様パーティに駆り出されたときに置いて行ってからそれっきりだよ。ありゃあ火薬式の古い銃でしたわ。


[ひだりて:そろそろ戦闘準備いたしますね。魔力をためて氷のジャベリンを発射できるようにします]

[みぎて:右手も氷のジャベリンだお。ほかのスキルはLv1だから、これが一番効果があるおっおっお。魔力塊Lv2くらいあると強烈なライフル銃くらいの威力が出るからほしいおねーどんな相手にも使えるおっおっお]

[ひだりて:魔は混ぜ込むことで物理法則を破れますので、強化は極めて効果的ですね。]

 ここでためたお金で借金返して、それから魔力塊買っておこうかねー。


 とか考えながら歩いていると、後ろから突撃してきた真っ黒なイノシシが!

 バッと振り返り、即座に、『狙う、眉間、氷のジャベリン2本』! しんだれぇ!!


 オウフ、槍は眉間を狙ったけど、頭蓋骨を貫通できなかった。氷のジャベリンが頬などに2本命中!しかしまだ勢いは止まらない!

 ぶつかる直前に横ステップ! と同時にジャベリン発射! 脇腹にヒット!

 回避は成功!

 こっわー、こんなに強いんだ。イノシシ恐るべし。

 ジャベリンがどれも深く刺さっている。ジャベリン強いなー!

 ので、りょうてにまかせて私は回避に専念。質量アタックを『防御』で止められる世界じゃないからなあ……


 ヒュンヒュンッ! ブスッブスッ!


 何度も回避とジャベリン発射を繰り返し、複数個所にジャベリンが刺さったイノシシ。

 さすがに失血したのか倒れこみ痙攣し始めました。


 超高圧と魔を織り込んだ風で刃を形成し、ちょっと離れた距離から頸動脈を狙って、幾度か発射。動かなくなったかな。


 終わったー。疲れますねこれは。


 中部屋はなわばりにしているグループが居たので大部屋で格闘していました。なので解体とかしている暇がない。全部亜空間バックパックに詰め込んで、次の階に進みます。


 3階は最終階層。豚頭のオークが巣くってます、事前情報によると、こいつのほうが正面投射している部分が大きいから当てやすいとのこと。




 階段から通路に出て意気揚々と中部屋に入ったら、全滅している5人パーティと、1体の猪頭オークがおりました。


 え?


 体長は2メートル超えてる感じです。おかしいな、こんなにデカかったっけか。事前情報とは違いますね。防具も着込んでおります。


「まあよい、ジャベリン発射ー!」


 グサッグサツ!


 ジャベリンは火力も貫通力も安定してる飛び道具ですねえ……。地球の古代軍団がよく使っていただけありますね。


 猪頭のオークはあんまり気にした風もなく、手に持っている槍を振り回しました。この部屋で振り回されるとちょっと、回避する場所が……。


「ぶひひひひひひ」


 煽ってやがるぜ……。ちょっと燃やしてあげよう。超高圧火炎放射GO!


「ぶもー!ぶもー!」


 お、こっちのほうが効く! 防具が過熱してより熱くなっておりまーす!


「ぶんがー!」


 あ、突進してきよった。勢いを止めるために、狙う、超高圧超大規模放水、頭部!


「ぶぼぼぼぼぼぼぼぼ」


 うおお、勢いが止まらない! 全部9倍やぞ!? ここで『伝達』、マイナス196度の冷気を超高圧超大規模放水から伝達!

 見る見るうちに凍っていく猪頭のオーク!3秒もたたずに動けなくなったようです。


 凍死してもらお。私は冷酷である。


 みぎてにずーっと『マイナス200度の火炎放射』で温度を伝達してもらいながら、全滅しているパーティの容態を見ていきます。死んでるなあ……。

 完全に死んでいるので、冒険者カードやハンターギルドカードなど、カード類を抜き取って、そのまま放置でしょうかね。1人で地上まで引き上げるのは無理がありますね……。武具をはぎ取ってもも良いっちゃ良いですが。やりすぎると、不名誉なスキルが付いちゃいます。


 ちょっと疲れましたね。超大規模放水で猪頭のオークをコアにして、でっかい氷の塊を作ってから少し休みましょう。ふう。『強い心』のおかげでこんな状況でも冷静です。わーいわーい。


 2時間ほどでずぶずぶとダンジョンに冒険者の死体が埋まり始めました。POPがあるダンジョンは、死体やアイテムそれにダンジョン内で消費される精神力などを養分にして生きている、生き物っぽいです。

 ただ、こんなに早く死体吸収は始まらないと聞いてます、死んでから結構時間たっていたのでしょう……。


 ダンジョンが飲み込まないアイテムはその場に残ります。これは拾いまくってもスキル付かないっぽいです。

 レザーアーマーと羽飾りが残りましたね。鑑定屋さんで鑑定してもらいましょう。


 さて。


 もう死んでいるはずの猪頭のオークを亜空間倉庫ばっくぱっくに詰め込んで、今日はおしまいです!


 大量の水で冷気を伝達して凍らせる作戦は通用しますね。面白いことに、放出中の水は凍りません。伝達が終わった瞬間に凍ってるのかな?

 氷で頭を覆うことができれば窒息しますからね。かなり強いのでは。


 地上に出て、まずは心の緊張を解きます。ぷはーおわったおわった。あとはのんびり処理だお。

 まずは……ギルドの出張所に亡くなった方のギルドカード提出ー。死亡扱いになるのと、カードがギルドに返されます。

 カードに入っているお金で伴侶やご子息の冒険者死亡年金が運用されているのです。私にも手数料で1パーセントほど入ります。250ドルエン。結構お金持っていましたね。

 カードは埋まらないので、専門に拾い集めてる人もいたりして?


 次は買取所ー。イノシシをどんどん取り出して、最後に固まっている猪頭のオークを取り出すと、周囲から感嘆の声が。


「なんで感嘆の声?」


「中ボス『デカイーノ』をこんな完品で見たこたぁねえよ。討伐報酬が出るのと、こいつが装備している物の譲渡。そして肉を売るか自分で食うかだな。スキルジュエルもドロップしてやがるぜ」


「ほうほう。スキルジュエルは確保、装備は溶かせるものは溶かしなおして使います。板状にして、冒険装備に張り付けよう、肉は全売りですね」


 スキルジュエルは普通のジュエル【突撃】でした。猪って突撃してきますもんね……でも私が槍で突撃したり、クーガーが突撃すれば強そう。とくにクーガー。


 レザーアーマーと羽飾りは何かしらの能力付与がかかっている物。だから飲み込まれなかったんですね。鑑定してもらいました。


「はーはははっは! はーはははっは!」


 ハハハ踊りだそうです、両手をドスコイしているようにしか見えませんが……。まあ、たゆんたゆんの20代お姉さまがやるだけでエロスを感じますね!


「おーっほっほ、この踊りのおかげで胸が鍛えられているのよ。それで、この羽飾りは『癒しの羽飾り』ね。1日3回、癒やすLv1が使えるわ。こっちのレザーアーマーは『伸縮のレザーアーマー』その名の通り、サイズ調整を自動でしてくれるわ。付着している血液や脂汗を取り除いて使ったらどう?」


 ……レザーアーマーは売ろう。癒しの羽飾りは使おうっと。


 板張りを張り付ける冒険装備がなかったので、ついにレザーアーマーを買いました。これにポイントで板を張り付けてポイントガードレザーアーマーに改修。


 そんなこんなで差し引いても2100ドルエンげぇーっと! ……くーそれでも借金が残る。まだまだ厳しい借金生活が待ってるぜ……。



 新スキル……突撃Lv1


 借金……1400ドルエン


 新防具……ポイントガーデッドレザーアーマー

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