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正義を貫く
私の隣に座っているお巡りさんが、シートベルトに結んでいた腰縄を解いてくれました。
「降りていいよ」
庁舎の中を警察官に誘導されて、4人の先頭を私が歩きます。
かれこれ30年前、オウム真理教の悪事を暴露しようとした私は、やがて警察とオウム真理教には癒着があることに気付きます。
そして、この事実を書いたチラシを配ったりインターネットサイトに書き込んだりしているうちに、私は警察の「監視対象者」となり、24時間・365日、警察から見張られて、人生そのものを大きく狂わされてきました。
しかし、それでも正義を貫き、第3のサリン事件を防止するために今でも警察と闘っている私。
警察は自分達が過去に行った犯罪を隠蔽する為だけではなく、これからもまた大きな犯罪を犯すために、邪魔になる私に再び圧力をかけようとしている!
(正義が我にある限り俺は闘うぞ!)
悪の手先に捕らわれた正義の味方になったような気分でした――いや、まさにそのとおりなのですが――。




