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臭い飯②

 お弁当は、冷めていましたが、40年ぐらい前に中学生だった私にとっては、中学時代に母親が愛情を込めて作ってくれたお弁当をお昼休みに食べていたのと同じ事で、お弁当が冷めていることは、全く気になりませんでした。


 ただ、検察庁の待合室で一緒になった20歳代の人は、冷めた飯を食わされるのは苦痛だと言っていましたが……。この辺りは自分が過ごした青春時代の境遇で感じ方が変わってくるのでしょうね。




 トイレの隣の鉄格子越しに、まるで早春のような暖かい光が降り注いでいます。私は鉄格子の傍まで行って、鉄格子の外の廊下の向こう側のガラス窓に反射している陽光を眺めました。


「お二人もこちらに来られたらどうですか。まだ1月だというのに、明るい朝日に反射されたガラス窓が綺麗ですよ」


「もういいよ。飽きるほど眺めているから」


 ウンザリしたような大将の声が小さな部屋に響きます。




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