57/277
本の貸し出し
太陽は没し弱々しい冬の陽光さえ届かなくなった牢屋の中で、自分はいつ解放されるのだろうかと思案を重ねている時、留置されている我々の世話をする係りの警察官が、貸し出すことの出来る図書のリストを持ってきてくれました。
1日3冊、文庫本を借りることが出来るのだそうです。リストに留置者番号が書かれていない本が、今日は誰も借りていない本。その中から3冊、自由に選べます。
とてもではないが、呑気に本を読めるような気分ではなかったのですが。
「3冊、借りておいた方が良いよ。横になったときは枕の代わりにも使えるから」
と、師匠が助言してくれました。
留置場の私の部屋には時計がないので、正確なことは分からないのですが、日没から少し時間が経っています。留置場の消灯は午後9時。もうあまり時間がありません。




